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アクトインディ株式会社

業種

情報通信業

地域

関東

従業員数

50〜99人

File.75

よりよい結果を出すためにテレワークを導入―子どもとおでかけ情報サイトを運営する「アクトインディ」の場合―

テレワークの推進

2021.10.29

アクトインディ株式会社

 アクトインディが運営する、子どもとおでかけ情報サイト「いこーよ」は、子どものおでかけ情報、おでかけスポットのクチコミなど日本全国の情報を届けて12年目の人気サイト。子どもの年齢、地域、アクティビティの種類などの項目を絞り込んでいくと、お薦めのおでかけ先がアップされ、お得情報や利用者の体験談も見ることができるというものだ。おでかけスポットは2021年7月時点で86,745件アップされており、地元なのに知らなかった穴場を発見できることも。
 同社は2008年のサイト立ち上げ時からテレワークを推進してきたという、いわばテレ ワークが常態勤務という会社。コロナ禍でも社内業務が滞ることはなく、社員は“いつも通り”働くことができたという。

「未来をよくしていく価値観をつくる」が企業理念

 同社は2003年に設立され、「葬儀サポートセンター」をスタートさせている。その頃は葬儀に関することがあやふやで、葬儀費用は見積書さえなく、葬儀後に法外な請求書が送られてくることも珍しくはなく、代表取締役の下元敬道氏が調査したところ、東京都では葬儀費用の平均単価は300万円弱、72パーセントが見積書を受け取らずに葬儀を依頼していたという。そこで、都内の葬儀社を一軒一軒周り、その理念やサービス、見積書の有無、会計の明朗さなどを調べ上げて、良心的な葬儀社を選定して日本で初めてサイトにアップした。反響は予想を上回るもので、よい葬儀ができたという感謝の声が続々と寄せられたという。その後、お墓を買いたいというニーズを受けて、2005年に日本初の霊園墓地検索サイト「ついのすみか」をスタートさせて、収益を大幅に増やすことができた。
※「葬儀サポートセンター」は2014年、「ついのすみか」は2017年にサービス終了

アクトインディの下元代表取締役

 2008年、子どもとおでかけ情報サイト「いこーよ」を立ち上げる。それまでの業績とは関連が薄いような印象を受けるが、実は下元代表取締役にとっては、起業したときの想いが込められている。それは、自分たちの仕事によって“未来をよくしていく価値観を作る”こと。幼少期の親子のコミュニケーションは、子どもの価値観に大きく影響する。共働きが多い現代では親も子も時間に追われてしまっているので、一緒にいられる時間を最大限楽しめるようサポートしたいというのが「いこーよ」の目的だ。幼少期の素敵な体験は、健全な価値観をつくり、やがて子どもたちが大人になったときには、よい価値観を持った世代になるだろう。これは、心温まる葬儀を経験した子どもや孫世代の死生観が、よい時代づくりに繋がるという実感と結びついているという。

一人のエンジニアのリクエストから

 同社では、正社員はもちろんパート社員も100パーセントがテレワークを活用中。フルフレックス制であるため、働き方や時間配分は人それぞれだ。単に労働時間を減らすためではなく、「何のために働くかを追求したらテレワークになった」と、下元代表取締役。「いこーよ」を軌道に乗せるために、やるべき仕事が山積していた2008年当時、社員のエンジニアに仕事を頼んでいたら、「かなりキツイですね。家で専念させてくれたらできるのに…」と言われたのがきっかけだ。聞けば、彼は通勤に1時間半かかり、小学生の娘との夕飯には到底間に合わない。オフィスにいることで電話対応などの雑用が増え、本来の業務に集中できないという悩みだった。在宅勤務によって能力を発揮でき、愛娘と夕飯を食べることでモチベーションが上がるというなら、やってみない手はない。下元代表取締役は「いいね、やってみて!」と即座にゴーサインを出した。テレワークを取り入れた結果は「いこーよ」の利用者数の順調な伸びに表れ、それ以降は希望すれば誰もがテレワークをすることが可能となり、パート社員にも適用されるようになった。

アクトインディの職場風景。社員一人ひとりの裁量でテレワークを実施している。

テレワークで子育て中の社員が活躍

 パート社員が増えて、子どもの急な発熱などで保育園に迎えに行ったり、欠勤したりせざるを得ないケースも珍しくなくなった。そんなときでも職場では「早く迎えに行ってあげて」と声が上がり、お互い様という雰囲気が定着しているという。在宅で可能な仕事はパート社員であっても同様であり、仕事の情報を共有することでカバーできる。そうした環境のなか、パート社員から正社員になった社員がいることも、パート社員にとって大きな励みになっているに違いない。

 男性だから女性だからと仕事を区別する気風はなく、それは社員の育児への考え方にも反映されており、男性社員でも「育児を手伝う」という意識はない。育児は誰もが「する」ものなのだ。そのため、男性が育児休業を取得することも社内ではごく当たり前の光景で、多くの実績も残している。
 男性社員が妻の里帰り出産に同行して、育休を取らずにそのまま半年間テレワークで勤務したという事例もある。「いこーよ」は全国展開であるため、その地方のおでかけスポットを精力的に営業したという。どこにいても、いつ働いても、成果を出せば認めるという経営側のスタンスが働き方の柔軟性を生み、男性・女性を問わず子育てと仕事の両立を可能にしている。「いこーよ」が、子育てする親をサポートし、子どもたちに楽しい思い出をつくってもらうためのサイトであるからこそ、運営する側も子育てを楽しみながら働くという文化が出来上がっているのだ。

テレワークの恒常化や、社員全員の子育てに対する理解の深さによって、日々成長する我が子との大切な時間を過ごせている

 二児の父でもある上野祐一朗さんは、営業としての成績も上げながら、奥さんと二人三脚で積極的に子育てを行っている。過去の職場では夜11時過ぎごろまで残業して、翌朝9時に出社するという毎日だったが、第一子が生まれたことをきっかけに転職活動を開始。現在、アクトインディに入社して2年目となる。家では日常の家事や育児について「できる余裕のある人がやる」をモットーに、奥さんと2人で協力して行っている。第二子誕生の際には約1ヵ月の育児休業を取得。テレワーク中は、コアタイムは特に設けられていないため、子育てモードと仕事モードの切り替えが難しかった時期もあったという。現在では、子どもと過ごす時間、メール連絡や商談をする時間、企画書を仕上げるために集中する時間を区切り、1日のなかで緩急をつける自分なりのスタイルを確立することで克服できた。 「営業成績は数か月後にはっきり結果が出るので、テレワークだからこそ自分を律しなければという緊張感があります。」

第一子出産後、心身ともにすり減った妻の様子を見て、自分も育休を取らなければと感じたと話す、上野祐一朗さん

 小学校5年生の娘をもつ広報担当の三ツ橋典子さんも、テレワークを有効活用して仕事と家庭をうまく両立している。
「テレワークの合間に、担任の先生との面談の時間を1時間取ることが出来ました。前の会社なら、半休取らなくてはいけない状況でしたね。現在は、出社する日数は月に4 ~5日ほどです」
 チーム内のコミュニケーションが密であるため、テレワークは、仕事の流れを可視化しやすく連携できると感じている。

経理部門もネットバンキング活用でテレワーク

 一部の管理部門を除いて社内では決まった席はないフリーアドレスとなっており、貸与されたPCを使ってどこで仕事をするのも自由だ。チーム内で誰がいつテレワーク勤務を行うかは把握されている。全員が出社する日をカレンダーに記載しているので、その記載がない日は基本テレワークというのが共通認識だ。各自が報告したメールをメンバーが閲覧して意見交換し、必要があればwebミーティングを行うという流れになっている。

自宅で仕事をしている様子。メールやwebミーティングを利用して社員同士で気軽に連絡を取り合っている

 契約書には印鑑を押す必要があるが、同社の契約書の管理システムでは誰がチェックしたのかが明確に記録されるため、チェックすべき者が全員了解すれば、代表が不在でも総務部門で押印できるという仕組みが構築されている。経理に関しても、例えば給与振り込みでも、ネットバンキングで自宅からテレワークで業務が行われている。 コロナ禍では、「上司の印鑑が必要」「お金の振り込みがあるから」と出社せざるを得ないという世間の声がニュースで報じられたが、アクトインディ内では、「未だに?」と驚きを持って話題になったそうだ。

 「コロナ禍で業績的には影響を受けましたが、パソコン貸与に関するセキュリティ管理などテレワークの体制は既に確立していたので、何も慌てることはありませんでした。最初の緊急事態宣言では、誰もいないガランとしたオフィスで、僕一人で電話番を務めました」と笑う下元代表取締役。どのような社会情勢でも社員の自主性を重んじ、やるときはやる、結果で勝負するという、起業したときから考え方は変わらないと語る。

働くことの本質に向き合うために

 2020年12月に東京本社を五反田に移転した同社は、以前に比べて床面積が少し狭くなったが、もともとテレワークが徹底していたため、広いスペースは不要であった。「個人のデスクがないフリーアドレスなので、出社すれば自分のチーム以外の人と交流するきっかけにもなる」と、下元代表取締役。

 部署や役職を超えた、何気ない会話がビジネスヒントに繋がることもある。男女ともに育児を楽しみ、お互いを応援する気風が、仕事に反映される。テレワークは単なる効率化ではなく、働くことの本質に向き合うためのサポートであるという社員一人ひとりの認識が、同社を前進させていくだろう。

CASE STUDY働き方改革のポイント

取組1

フルフレックス制で、テレワークを定着させる

効果
柔軟な働き方が可能になり、各自が仕事に集中できるようになった。チーム内のコミュニケーションを密に取るようになり、伝達もれや記録もれがなくなった。
取組2

子どもの都合による早退や欠勤も、テレワークでフォローできる体制づくり

効果
パート社員も含めて、女性社員も長く活躍できるようになっている。学齢期に達した子どもがいる場合も、学校行事に出られるなど、男女ともに育児と仕事の両立をしている満足感が得られている。
取組3

契約書作成、給与振り込みなどをペーパーレス化

効果
法律上、契約書は保管が義務付けられているため、ペーパーレスには限界があるが、契約書作成の際に、誰がチェックをしたのか記録を残して、最後だけ社印を押すという仕組みに。
ネットバンキングはセキュリティが確立しており、印鑑が必要ないので、振り込み作業もテレワークで定着。

COMPANY DATA企業データ

子どもたちの明るい未来の為に、幸せを提供できる会社へ

アクトインディ株式会社

代表取締役/下元敬道
本社:東京都品川区
従業員数:76人 ※正社員63名、パート・インターン13名(2021年7月時点)
設立:2003年
資本金:6,000万円
事業内容:子どもとおでかけ情報サイト「いこーよ」や、おでかけコンシェルジュ「いこレポ」、子どもの日齢通知サービス「BetterDays –ベターデイズ–」など、未来を担う子どもや子育て世代を支援する情報提供サイトの企画・運営

経営者略歴

代表取締役/下元 敬道(しももと・たかみち)
1976年、高知県生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、商社、ネット広告企業を経て2003年に26歳で独立し、アクトインディ株式会社を設立。