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株式会社リプレ

業種

その他

地域

関東

従業員数

10人未満

File.78

働きやすい環境が、培った専門技能をさらに高める-ワーク・ライフ・バランスを重視する「株式会社リプレ」の場合-

テレワークの推進

2021.10.29

株式会社リプレ

 株式会社リプレ(東京都中央区)は、日本国内だけでなく、アジア、欧米各国の規制に対応した化学物質登録や登録状況の調査、関連法規情報の調査などのコンサルティング業務を行っている。例えば、国内の企業が海外の化学物質を販売するには国への登録が必要となる。同社は、そのための書類作成や登録業務を担っている。海外への販売ではその逆となる。国によって登録システムが異なるためそれぞれの事情に精通したノウハウが求められる。また、化学物質を出荷する際、出荷先に対して、物質名、供給者名、分類、危険有害性、安全対策、緊急事態での対応などの詳細を記したSDS(Safety Data Sheet)の作成、化学関連資料の翻訳も事業としている。

在宅勤務は自然な成り行きだった

 同社は、パート社員などの雇用環境を現状より一歩でも改善しようと 積極的に取り組んだ企業として、平成22年に「東京都トライ企業」として認定され、さらに専門家の派遣を受けた「トライ企業」のうち、さらなる雇用環境整備に取り組む企業として平成25年に「東京都レベルアップ企業」に認定されている。

 「トライ企業認定の当時は、まだワーク・ライフ・バランスなどという言葉も一般的ではありませんでした。在宅勤務もそれ以前から始めていましたが、世の中は出社社員のほうが在宅社員より仕事への真剣味が高いという偏った見方もあったようです。今でこそ在宅勤務は進んでいるといわれたり、そういう働き方にしたいという会社も多くなりましたね」と語る伊藤一見社長。

 伊藤社長は「以前から、育児などで出社はできないけれど働きたいという意欲のある人、非常に能力の高い人が多いことは分かっていた。そうした人たちと一緒に仕事をするにはどうしたらいいかと考えていました」。仕事の形態は海外とのやりとりがほとんどだから出社しなくてもいい、時差もあるからリアルタイムで行動する必要もない。そういう意味からも在宅勤務は自然な成り行きだったのかも知れない。

(社員/Kさん)

 同社は海外とのやりとりが多いため、英語力は必須。その能力を生かしたいと入社したのがカスタマーサービス・マネージャのKさんだ。おもに、アジア、ASEAN諸国に向けたSDS作成に携わる。在宅勤務のいちばんのメリットは「通勤時間がないことも含め、時間を有意義に使えること」だと言う。さらに、同社が推進するワーク・ライフ・バランスは、自分の仕事量に合わせてスケジュール管理ができるので仕事とプライベートの両立ができる。「子どもが小さかった頃は学校行事への参加や習い事への送り迎えなどが楽でした。今は趣味の時間に活用しています」。

 以前からクラウドシステムを利用した業務を行っていたので、コロナ禍による子どもの学校の休校や不安な社会情勢下であっても勤務環境へのストレスや影響はまったくなかったと振り返る。また、社員同士のコミュニケーションもスムーズで「短時間だけ抜けたいときでもしっかりフォローしてくれるので安心して業務から離れることができます」と言う。また、同じチームのメンバーでは定期的なオンラインミーティングを開いているが、個人作業が多い中でとても貴重な気付きの時間にもなっているそうだ。

ITを活用して業務の効率化とワーク・ライフ・バランスを推進

 当初は事務所に全員が机を持ち、常勤社員と週に何度か出社する社員が混在していたが、ITが進んだこともあって自社のサーバーへのリモートアクセスや、クラウドアクセスが可能となり、現在出社するのは伊藤社長以下2人だけという。業務の効率とともに在宅勤務の比率は大幅にアップした。

 こうした環境改善とともにワーク・ライフ・バランス化はさらに進んだ。「社員はそれぞれに仕事と家庭のバランスという視点を持っているので、所定労働時間内で完了できるよう仕事量やスケジュールを調整して、協力し合えるような環境作りとともにワーク・ライフ・バランスを最大限に尊重しています」と伊藤社長。

 残念なのは、コロナ禍によって定期的に開催していた出社での会議と食事会ができなくなったことだ。実際に互いに顔を合わせるメリットを大切に思う社長だが、ITを活用して完全に在宅勤務態勢が整っていたこともあって、改めて勤務体制を変える必要もなくコロナ禍に対応できたのは大きい。社員同士は、週に1回は全員がミーティングを行い、必要に応じてチャットやビデオでの会議を行うなど、最低限のコミュニケーションはできている。

定期的に食事会を開催していたが、現在はコロナ禍の影響でやむなく中断

それぞれの時間を有効活用しながら、暮らしの質をアップ

(社員/Mさん)

 Mさんは、SDSの作成、国内企業の化学物質の登録業務に携わる。業務中に不明点が出てくることもある。そんな場合でも、相手のパソコン上に自分のパソコン画面を表示できるリモート機能を利用すれば、誰かがすぐに解決してくれる。技術的な環境も含め、そうしたフォロー体制が心強く、働きやすさに繋がっていると言う。「何か問題が起きたときなどはみなさんと話し合い、不安材料を一人で抱え込まないよう共有しながら解決してくれますのでとても気を楽に持って働けます」。

 

 入社当時はまだ在宅勤務が珍しかったそうだ。家族と時間を共にしながら働きたいという希望に叶った職場だと言う。「自宅という気の休まる環境で仕事ができることや自分の時間を活用できることも魅力ですが、子どもの体の具合が悪くなったとかコロナで休校が続いたときも家で様子をみられるので大変助かりました。そんなときこそ在宅っていいなあと実感します」と笑顔がほころんだ。

(社員/Sさん)

 化学物質登録のコンサルティングやSDS作成に従事するSさんの場合は、同社への入社前は片道1時間近くの通勤時間があったが、在宅勤務となった現在はその時間を有効に使っていると喜ぶ。自分の業務量に応じて勤務時間を調節できるのでメリハリを付けた仕事ができるようになったとも。現在の仕事で感じることは「前の職場は化学物質の製造会社だったのですが、10年間で得た化学の専門知識を生かしつつ在宅勤務できる仕事はなかなか見つからないと思うんです。これにはとてもありがたいことだと思っています」。

 

 Sさんは、2年ほど韓国で暮らしていたが、クラウドシステムのおかげで日本にいるときと変わりなく仕事ができた経験もある。毎週水曜日は社員全員でのコミュニケーションデイだ。司会は持ち回りで雑談から始まり、近況報告、情報共有、仕事の割り振り・融通など、貴重で有意義なひとときとなっているようだ。13歳になる飼い犬と過ごせる時間も大幅に増え、Sさんにとって在宅勤務はメリットばかりのようだ。

 最後に伊藤社長が語ってくれた。「平成22年度東京都トライ企業の認定以前から進めていたワーク・ライフ・バランスへの取り組みは、さらに充実度の高いものにするべく努力している。社員間のコミュニケーションは非常に良好で、業務を補い合う体制も確立し、ワーク・ライフ・バランスは社員だけでなく顧客からも支持され、一体感を生み出している。

 以前から在宅勤務者にはPCを貸与していたが、さらに希望する社員にはタブレット端末を貸与し、在宅に限定されない外出しやすいリモートワークの体制も整った。こうした環境を整えることで社員の満足度をさらに高め、有能な社員が離れることのない会社作りに努力したい」。知的集約度の高い少数精鋭集団は、仕事とプライベートの時間をさらに有意義に生かしてゆくことだろう。

CASE STUDY働き方改革のポイント

取組1

早期から取り組んだ在宅勤務

効果
ITを積極的に導入することによってリモートアクセスからさらにクラウドアクセスを可能とし、ほぼ全員の在宅勤務を実現した。コロナ禍であっても、勤務体制などを変えることなく業務を推進できたのは大きな収穫だった。
取組2

ワーク・ライフ・バランスを重視した経営

効果
在宅勤務の実現を始め、社員間のコミュニケーションによる情報共有によって業務の効率化、円滑化がはかれ、問題や課題を一人で抱え込まなくなった。その結果、社員それぞれがゆとりを持って業務に接することができ、育児や介護、趣味などと仕事との両立が、よりフレキシブルになった。
取組3

希望者へのタブレット端末貸与

効果
在宅に限定されることなく、外出先でもリモートワークが行えることで行動範囲の自由度が広がった。一人ひとりの暮らしに対する仕事の束縛感を軽減し、ワーク・ライフ・バランス向上推進のサポートとなった。

COMPANY DATA企業データ

化学製品の安全使用を通じて、人の生活と環境の向上に貢献する

株式会社リプレ

代表取締役:伊藤一見
本社:東京都中央区
従業員数:8名(2021年7月現在)
設立:1996年12月
資本金:1,000万円
事業内容:化学物質の国内外登録業務。化学製品の安全データシート作成。化学関連資料の翻訳。

経営者略歴

伊藤一見(いとう・かずみ) 1996年リプレ設立。代表取締役に就任し、現在に至る。