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株式会社マキナ

業種

製造業

地域

中部

従業員数

30〜49人

File.170

多能工化により全社員が匠(たくみ)を目指す! ―大手メーカー向け搬送装置等の設計・製作・保全まで一貫して行う「株式会社マキナ」の場合―

幅広い人材活用

2024.03.22

株式会社マキナ

 株式会社マキナは、平成21月に創業し、大手メーカー向け機械装置の製造を開始し、創業以来、合理化専用機や自動省力機、各種自動コンベアーなどの設計・製作から、設置、メンテナンスに至るまで、 お客様のニーズに即座にお応えできるよう事業内容を拡大し、さらなる発展を目指している。そのため、全従業員が柔軟な「発想力」と「確かな技術力」、そして「誠実な姿勢」でお客様のご要望に応え、 経験を生かした提案を行っていくことによって、より良い製品の開発に取り組んでいる。

工場作業を「標準化・マニュアル化」

 代表取締役社長である兼山陽介氏は、働き方改革へ取り組んだきっかけを次のように語った。

 「社労士診断認証制度の経営労務診断の結果と働き方改革推進支援センタ―の利用を通じて、労働環境の改善のために取り組むべき目標は、生産量と品質水準を維持しながら時間外労働の削減と年次有給休暇の取得推進であることが分かりました。当社は、大手メーカー向け搬送装置等の設計・製作・メンテナンスまで一貫して行い、その高い技術力は、各工程を担当する技術者の能力の高さが担っており、業務が属人化していました。業務の属人化の結果、業務が特定の者に集中し、長時間労働になりやすく、年次有給休暇を取得できない状況を生み出しました。また、長期的に高い技術を継承するための弊害となることがあります。この状況を改善するために多能工化に取り組む決意をしました。」

 

取り組みについて語る代表取締役社長兼山陽介氏

 各人毎に割り当てられていた各工程の作業を特定の技術者だけが受け持つようになり、他の者には、作業手順やノウハウなどの詳細が徐々に分からなくなるという弊害が生じた。そこで、これまで各工程を担当する技術者に任せていた作業内容の棚卸をして、統一したフォーマットに整理し作業マニュアルを作成した。マニュアル作成により、属人化していた作業内容を社員の誰もが見て学べることができるようになった。

「多能工化」の推進

 多能工化の目的の一つは、高い技術力を必要とする作業《いわゆる「匠」の作業》を他の者も実施できるようにすることである。まず、作成したマニュアルによる研修(Off-JT)に加えて、属人化していた技術工程に多くの社員が携わることを可能にするため、業務のローテーションを実施した。現場で直接学び、それを自ら身につけることで、各社員が、より幅の広い範囲で、より高度なレベルの作業にも対応できる技術者として成長できる環境を整えた。

業務分担を見直し、「応受援体制」を構築

 業務のローテーションシフト作成時に、サブ担当もシフト化し、突発的な繁忙への対応などの応受援体制を明確にした。この結果、突発的な受注に対しても、特定の社員に負担となっていた作業を分散して応じることにより、従来から特定の社員に見られた過重な時間外労働や年次有給休暇を取得しづらいという状態を改善できた。

 業務管理・工程管理課長の岩室周平さんは、今回の取り組みを振り返ってこう話してくれた。

 「現在、業務管理・工程管理および人事労務という重要な仕事に携わっています。入社以来15年経ちますが、その間、工場作業の種類・量が増えており、人手不足の状況が続いています。このため、ベテラン社員に仕事の負担がかかり、残業が多い・休みにくいという状況でした。また、社員の平均年齢は年々高まっており、社員の若返りも課題となりつつあります。今回の取り組みによる時間外労働の削減と社員の強い連帯感は、求人募集の目玉として自信をもって応募者にアピールできるものとなり、計画的な若い人材確保と技術継承に臨む勇気が出てきました。」

 

業務管理・工程管理課長 岩室 周平さん

社長をトップに全社をあげた働き方改革への取り組みを支援

 株式会社マキナの取り組みを支援した社会保険労務士の梅田静可氏は次のように語っている。

 「労働時間管理の相談であったため、時間外労働の現状などをお聞きしたところ、特定の従業員(高度な技術を要する基幹業務担当者等)に時間外労働が多く、年次有給休暇の取得も進まないということでした。現在の状況が継続すれば、ますます特定の従業員の負担は重くなるので、その負担の分散・軽減化の取り組みの必要性を社長に提案したところ、理解していただき、社長をトップにして全社をあげて多能工化が推し進められてきました。ものづくり企業を支える重要な役割を担っている同社の働き方改革推進に、少しでもお役に立てたらという想いで担当させていただきました。」

CASE STUDY働き方改革のポイント

取組1

業務量の平準化と生産性の向上

効果
各社員の時間外労働が月10時間~20時間程度に収まり、年次有給休暇取得率も50%以上に改善された。
取組2

取り組みを通じて、社員の連帯感を強化

効果
個人の仕事はそれぞれが頑張るという職場の風潮が、今回の取り組みで、他人の声を聞き手助けも求められるように変化し、社員の連帯感が高まった。 
取組3

安心して働ける職場環境の改善

効果
外国人社員や高齢社員も増えつつある現状から、階段や勾配のある場所に手すりを設置、滑りやすい危険な床に色別表示、注意喚起を促す標識を絵柄表示・英語を併記した。

COMPANY DATA企業データ

昨日より今日、今日より明日。常に前進しつづけるマキナ

株式会社マキナ

代表取締役社長:兼山陽介
所在地:岐阜県不破郡関ヶ原町
従業員数:40名(2023年10月現在)
設立:1990年1月
事業内容:各種自動省力専用機械の設計・製作。リベッターマシンの設計・製作。全自動無菌試験装置の設計・製作。配管工事、据付工事、機械設置、保全業務