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株式会社学研都市設備 生駒支店

業種

建設業

地域

近畿

従業員数

10〜29人

File.180

地域から愛され、 社員からも愛される企業を作る ―人の生命にかかわる社会的責任と真摯に向き合う「株式会社学研都市設備 生駒支店」の場合―

時間外労働の削減

2024.09.25

株式会社学研都市設備 生駒支店

 「水を通して社会に貢献する」ことを企業理念として掲げ、 大阪府・奈良県・京都府等の地域から信頼を得て創業から60余年事業を行っている。

 水道は、人の生命にかかわるライフライン。当社は、その社会的責任と真摯に向き合い、常に安心と安全を最優先に考え、丁寧・確実かつ迅速なサービスの提供を社員一人一人が取り組み成長してきた。これからも社員に愛される企業を作るため、働き方改革に取り組み、魅力ある職場づくりを目指して労働環境の整備を行う。

社員全員の協力で現場監督の長時間労働を削減

 代表取締役社長である川東政哉氏は、働き方改革へ取り組んだきっかけを次のように語った。

 「週6日勤務で時間外労働が多く、特に現場監督は、現場作業の後に会社での事務作業のため長時間労働が常態化していました。社員の中には『自分のやり方を変えたくない』などの理由で、時間外労働削減に非協力的な者もいました。このような現状を変えたいと情報を収集している際に、働き方改革推進支援センターのことを知り、専門家派遣を依頼しました。

 働き方改革を通じて、社員とのコミュニケーションを深め、社員と一緒に働きやすい環境づくり、人材確保と『水を通して社会に貢献する』企業を目指していきたいと考えています。」

取り組みについて語る代表取締役社長川東政哉氏

社員の意見を聴き、働き方改革に取り組む

 今までの経営を振り返ると、受注業務を現場監督の裁量に任せ、現場監督の判断で個人宅の緊急な対応などといった休日に工事をしなければならない業務を受注し、時間外労働や休日労働につながっていた。

 こうした状況を改善するために、会社として工事ごとの受注額や原価率が妥当なのか検討し、現場監督の意見を聴きながら組織的な対応をとり、受注すべき業務の優先順位などを決めるようにした。

 また、働き方改革を推進するうえで心掛けたのは、「社員の意見を聴く」ということだ。社員の協力なしで働き方改革を推進することは難しく、具体的な方法として社員とのコミュニケーションの機会を増やし、社員に「どうすれば改善できるか」問いかけて、社員が自分事として考えるよう促した。社員の意見を聴く機会を増やし、提案があった内容を実行することで、徐々に働き方改革の取り組みが浸透し組織の一体感が生まれてきた。

 

現場監督の業務をサポートする体制の構築

 現場監督は、数か所の工事現場の施工管理を担当し、その移動にも時間を要していた。業務は、施工管理の他に、工事の打合せ、工事の見積や職人への指示等、多岐にわたる付随作業も一人で担当していたため、長時間労働が常態化していた。現場監督に対しては、直行直帰等を導入したが、それだけでは改善が進まず、長時間労働を削減するには、業務を可視化し、付随業務を他の社員に振分ける体制が必要と考え、共同作業や情報共有ができるオンラインスプレッドシートを利用して業務改善に取り組んだ。

 オンラインスプレッドシートを利用することで、工事の打合せや工事見積の事前調査等移動時間を要する業務を対応可能な他の社員に振分けしたり、現場情報や業務を事前に可視化したりしたことで、現場監督をサポートする体制が構築できた。

トップの熱意と姿勢に共感しました

 現場監督の堀井誠さんは、今回の取り組みを振り返って次のように話してくれた。

 「今まで、現場監督として自分のやり方で進めていた工事業務が、法改正により時間外労働が規制されることになりました。当初は他人事のように捉えていましたが、社長を始め、経営陣が、どうしてもやり遂げるには、社員の協力が必要であるという想いを聴くと同時に、社員の意見を聴きながら進めるという姿勢にも共感し、徐々に協力するようになりました。結果的に業務が軽減され徐々に時間外労働や休日業務が削減され時間的余裕が生まれてきたので、今後も働く環境の向上に貢献していきたいです。」

働き方改革の効果を実感する 現場監督の堀井誠氏(2000年入社)

社員とのコミュニケーションを重視した取り組みを推進

株式会社学研都市設備 生駒支店の働き方改革への取り組みを支援した社会保険労務士の久保知三氏は次のように語っている。

 「経営幹部にヒアリングをした結果、現場監督等一部の社員の長時間労働が常態化していることが分かりました。それをふまえて経営幹部と改善策について話し合い、改善に取り組むうえで社員の協力がないと成功しない旨を伝え、社員の意見を聴く機会を多く設けて頂きました。今後も社員とのコミュニケーションを重視した取り組みを継続し、働きやすい環境を向上させ、地域で愛され社員から愛される企業になることを期待しています。」

支援を担当した社会保険労務士の久保和三氏

CASE STUDY働き方改革のポイント

取組1

社員の意見を聴き、 働き方改革に取り組む

効果
働き方改革には社員の協力が必要不可欠であり、社員の意見を聴きながら働き方改革を進めたことで組織の一体感が生まれた。
取組2

現場監督の業務をサポートする体制の構築

効果
現場監督の業務を軽減するためオンラインスプレッドシートを導入し、情報の共有や業務の分担を行い時間外労働の削減につなげた。

COMPANY DATA企業データ

「水を通して社会に貢献する」会社を目指し真摯に挑戦している。

株式会社学研都市設備 生駒支店

代表者:代表取締役 川東 政哉
所在地:奈良県生駒市
従業員数:16名(2024年5月現在)
設立:1967年10月
事業内容:給排水衛生設備工事業 上下水道管敷設工事、給水・排水引き込み、ポンプ設置工事等をはじめ上下水に関わる工事全般に対応。