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なかじま建設有限会社
建設業
中部
10〜29人
File.204
評価制度の導入と業務の効率化を図り モチベーションと生産性のアップへ ー総合仮設足場工事業を安全性・効率性・快適性を考慮して展開する「なかじま建設有限会社」の場合ー
2026.03.27
なかじま建設有限会社は1999年4月の創業以来、土木、建築、住宅、プラント、公共工事等幅広い工事を担う総合仮設工事業として北陸を中心に活動しており、特に「安全に作業が出来る効率の良い足場で快適なスペースの提供」に配慮して、従業員一人一人がそれに取り組み、成長してきた。働き方改革においては、長時間労働を削減するために、助成金を活用した業務の効率化を進め、若い人に魅力があってより長く働いてもらえるような職場を作っていきたいとの決意のもとで改革を推進してきた。
※この事例は、過去に働き方改革推進支援センターの支援を受けて働き方改革に取り組んだ企業が、今回更なる働き方改革、働きやすい職場づくりに挑戦したその過程と成果を取りまとめたものである。
これまでの取り組みとその成果
【取り組み内容】
今後の採用や定着を見越して働きやすい職場としていくため、働き方改革関連法への対応を目指し、従業員の長時間労働を改めることとした。2021年は業務改善助成金を活用し、フォークリフトを購入し業務を効率化した。2022年は働き方改革推進支援助成金を活用し、積算・工程管理・労務を一体的に管理するシステムを導入して社内で情報の一元化を行った。
同業他社では資材置き場を屋外としていることが多い中、当社は天井クレーンの付いた倉庫内で資材を保管することができるようにし、従業員が快適に働くことができる職場作りを行った。また、2020年より空調服を導入し、夏季の熱中症対策を行っている。作業員は現在1年単位の変形労働時間制であるが、事務員は週休二日制に移行した。
【成果】
季節的な繁閑や急な現場対応のため、2020年度頃には月80時間の時間外労働が発生することもあったが、徐々に削減をしていき、現在は多い月で40時間程度となっている。本社作業場ではフォークリフトの購入による資材の積み降ろしが効率化され、一体的管理システムの導入により情報共有が全社的に行えるようになり効率がアップした。
夏季の熱中症対策を行うことで、仕事の集中力を欠いたミスや事故、品質の低下を未然に防ぐことができ、工期遅延の防止につながっている。また、事務職員を対象に週休二日制に移行したことで年間休日が増え、業務の負担感が減り、人材の定着率が向上したことで、難易度の高い仕事を安定して任せることができるようになった。
新たな課題
①なおも人手が不足しているため、更なる人材の確保を行っていきたい。資材の積み降ろしを人力で行う作業など仕事に負担の大きい部分が今も残っており、離職者が減らないため、引き続き定着率の向上を図っていきたい。せっかく入社した労働者を辞めないよう考えていく必要もある。また、女性技術者も採用を進めていきたい。
②作業が属人化しており従業員毎に残業時間のバラつきがある。残業時間の多い従業員の残業時間の削減を行っていきたい。そのためには教育体制を充実していく必要がある。
③本社工場とは別の場所に資材置き場があり、積み降ろしは手作業・複数人で行っている。業務負担が重く、残業の発生や離職の要因の一つになっていると思われるため、更なる業務効率化を行っていきたい。
課題感を解決し、目標を達成するためのプロセス

具体的なアクションプログラム、実施方法、プロセス等
▶ステップ1【PLan(計画)】
以下の取り組みを柱として進めていく。
①更なる人材の確保を行うこと。また、定着率の向上を図ること。
②残業時間の多い労働者の残業時間の削減を行うこと。
③更なる業務効率化を行うこと。
▶ステップ2【DO(実行)】
①多様な人材の活躍のため、次世代育成支援対策推進法・女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定、従業員の満足度を高めるために評価制度の導入、完全週休二日制への移行、を検討する。
②業務フローの見直しやマニュアル化を行い、チーム内で情報を共有する体制の検討を行う。労働生産性分析ツールを用いて、生産性の向上について確認する。
③本社外の資材置き場での作業が時間外労働の発生原因であるため効率化を検討する。
▶ステップ3【Check(評価)】
①次世代法・女活法の行動計画を策定し、基本姿勢を明らかにした。人事評価制度は、富山県が作成しているシンプルで分かりやすい評価基準を採用する。
②業務マニュアルの策定を今後進めていきたい。評価制度を導入し、会社が期待する内容を伝達し、従業員間の協働や自ら工夫する風土を醸成する。
③業務改善助成金を申請。持ち上げ重量3t以上の電動フォークリフトの導入をする。搬入口から資材の保管場所への移動を、動力を駆使して行えるようにする。
▶ステップ4【Action(対策・改善)】
①評価制度は、今後導入して運用を行っていきたい。従業員のニーズに対応して多様な人材が活躍できる土壌を醸成し対応していくことで、採用面・定着面での実績の向上を図る。
②業務マニュアルの策定を今後も継続して検討していく。
③電動フォークリフトの導入により大幅に生産性が向上することと予想され、資材の搬入・搬出に係る作業時間を1/3程度まで削減できることと思われる。
更なる人材の確保を行うと共に定着率の向上を図る
近年は求人を行えば応募があったが、入社後に定着せず退職する方が多かったように思われる。応募が少なければ選考の幅が狭まり、入社後のミスマッチが顕著になることが多くなると考えられる。そのため、採用時に多様な人材に対して訴求するため、次世代育成支援対策推進法・女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定を行い、多様なニーズに対応していくための方針を明らかにし、募集を多くするために完全週休二日制への移行を決定した。
入社後のミスマッチ防止や従業員のモラール向上のために評価制度を導入することを決定した。当初は、厚生労働省「職業能力評価基準」を参考としたが、当社には難易度が高かったため、パッケージソフトの購入を検討したものの、こちらもコスト面で断念し、富山県が作成しているシンプルで分かりやすい評価基準を採用することとした。従業員の意見も取り入れて運用を行うこととした。
属人化した業務からの脱却を図ること
従来までの取り組みにより、業務の効率化が進み月80時間発生していた時間外労働が徐々に削減し、現在は多い月で40時間程度となったが、時間外労働が多い従業員とそうでない従業員の差が明確になってきている。業務が属人化しており、従業員ごとに業務スキルの差があることに起因し、チームで業務を行うという思考プロセスではないためと考えられる。業務フローの見直しやマニュアル化を行い、チーム内で情報を共有する体制の検討を行った。
また、労働生産性分析ツールを用いて、残業代の削減を行えば賃上げや設備投資の原資にできることも確認した。取り組みを行う際には、経営者層のみでは手が回らず進めたくても進めないことも実感したので、今後、従業員へ権限移譲していくことも含めて考えている。
業務改善助成金を活用し更なる効率化を図ること
本社以外にも資材置場を利用しており、資材は敷地内に平積して保管している。現在は資材置場の出入り口付近にトラックを停車して、人力で資材の積み降ろしを行っている。資材は重量物である上、トラック停車場所から保管場所までの移動距離が長く、積み降ろしに労力を要する。資材の積み降ろしは2人1組以上で行う必要があり、多い時は10人の人員が必要。多くの資材を必要とする場合は、3時間以上の時間を要し、大型工事に対応する場合は、資材の積み込み・積み降ろしにそれぞれ3日以上が掛かる場合があり、業務効率が悪く時間外労働の発生に繋がっている。また、定着への影響もあると思われた。
資材の移動のため持ち上げ重量3t以上の電動フォークリフトを導入する計画で業務改善助成金の申請を行った。これにより、①積降時の手作業②人力による資材の移動③作業人数、の削減を行うことができる。これにより大幅に生産性が向上することと予想され、資材の搬入・搬出に係る作業時間を1/3程度まで削減できることと思われる。

今後の展望
代表取締役の中嶋芳規氏は、今回の取り組みを振り返り、今後の展望について次のように語っている。
「働き方改革への取り組みにより、時間外労働を削減してきました。これにより、従業員のモチベーションアップが向上し、生産性のアップに繋がっていることを実感しています。
評価制度の導入や、資材置き場での積み降ろし作業の効率化は、進めたいと思いながらもなかなかできなかった部分です。今後は更に取り組みを進めていき、若い人に魅力があって長く働いてもらえるような職場を作っていきたいと思います。今後もお客様や従業員のために多様な働き方改革を推進します。」

代表取締役の中嶋芳規氏
会社の雰囲気がよく、丁寧に指導してくださるので楽しく仕事ができています
2024年入社のデニ・インドラワントさんは、今回の取り組みを振り返って次のように話してくれた。
「過去に技能実習生として入社し、一旦他社で経験を積み特定技能1号としてまた戻ってきました。当初は初めての日本、初めての仕事で不安でしたが、現在では毎日先輩たちと一緒に働いて、少しずつ仕事を覚え、今では楽しく仕事ができています。会社の雰囲気がよく、社長も奥様も自分のことを気にかけてくれますし、わからないことは丁寧に先輩が教えてくれるので、仕事がきつい時でも頑張れています。最初に入社した時よりも働きやすくなっていると思います。更に仕事ができるようになり貢献ができるようになりたいと思います。」

働き方改革によって働きやすくなったと話す デニ・インドラワント氏
なかじま建設有限会社の取り組みを支援した社会保険労務士の宮下智弘氏は次のように語っている。
「支援を始めたころより時間外労働が大幅に減少し、年次有給休暇の取得率も向上して来ています。やりたい事が多数あり、改善意識が高く様々なチャレンジを行っている企業様だと感じました。
今後は、評価制度の運用で社員満足度の向上が期待できそうですし、資材置き場でのフォークリフトの運用により更に時間外労働の削減ができると思いますので、働きがいのある職場環境づくりにより、従業員の採用者数の増加と定着率の向上が期待できると思います。」

取り組みを支援した社会保険労務士の宮下智弘氏
CASE STUDY働き方改革のポイント
人材の確保を行い、 定着率の向上を図る
- 効果
- 多様な人材に訴求するために、次世代法等に基づく行動計画を策定。また、完全週休二日制へ移行及び評価制度の導入を決定した。
属人化した業務からの 脱却を図る
- 効果
- 業務フローの見直しやマニュアル化を行い、チーム内で情報を共有する体制を検討。従業員への権限移譲も含めて進めていきたい。
業務改善助成金を活用し、 業務効率化を図る
- 効果
- 最大荷重3t以上の電動フォークリフトを導入し、人力による資材の移動・作業人数の削減を行い、作業時間を従来の1/3程度までにする。
COMPANY DATA企業データ
お客様にも従業員にも必要とされる会社を目指して真摯に挑戦し続ける
なかじま建設有限会社
代表者:代表取締役 中嶋 芳規
所在地:富山県射水市
従業員数:12名※2026年1月現在
設立:1999年4月
事業概要:総合仮設足場工事業。クサビ緊結式足場、枠組み足場、吊り足場等をはじめとして仮設足場工事全般に対応。安全性・効率性・快適性を考慮して仮設計画を行っている。
