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株式会社ウエストトラスト・ライフサポート

業種

医療・福祉

地域

中部

従業員数

50〜99人

File.148

介護現場のDX化推進で業務改善と介護サービスの向上 【動画あり】 -3Mを解消して働き方改革に取り組む「ウエストトラスト・ライフサポート株式会社」の場合-

時間外労働の削減

2023.03.24

株式会社ウエストトラスト・ライフサポート

「富士山するがテラス」が入るJR富士駅前ビル「ソシエルふじ」の外観

株式会社ウエストトラスト・ライフサポートの取り組みを動画で見る
(以下のURLのリンクからご覧いただけます)
https://www.youtube.com/watch?v=1TgGlLP_DVY

 

 静岡県富士市に株式会社ウエストトラスト・ライフサポートの介護付き有料老人ホーム富士山するがテラスがある。リビングからの雄大な富士山と駿河湾の景観が最大の特長である。サービス付き高齢者住宅の富士山松岡ガーデンも運営している。西尾代表取締役が同社を設立したのは、2013年の富士駅南口の駅再開発事業で建設組合の理事長を務めていた時。西尾代表取締役は、「常にお客様の立場に立ち、地域に根差した真心のこもったサービスを提供する。入居者様のその方らしい暮らしをささえるために、誠実な行動でお客さまと地域社会に貢献する」の理念のもと、生まれ育った富士市になんとか活力を取り戻したい、地方創生により地域の課題を解決したいと思い、出身地である富士市に戻り、創業した。

企業の持続性を考え働き方改革にチャレンジ

 西尾代表取締役は、「介護業界の現状として、離職率が高く、人手不足により残業や休みが取りにくいという課題がある。企業としての持続性を考えた時に、働く皆さんが心地よく、やりがいを感じながら長く働いていける環境づくりが大事ではないか」と考え、働き方改革にチャレンジした。社会福祉、介護の現場では、ムダ、ムリ、ムラの3Mの解消が必要とされている。同社でも、「一度紙に記載したものを、記録入力のために転記する」ムダ、「介護記録の入力に、介護業務終了後に残業しなければいけない。朝夕の申し送り時間に口頭で直接情報の共有を図ろうとすると、その場に必ずいないと情報が伝わらなかったり、申し送り事項の抜けや誤解があったり、伝達に時間がかかる」ムリ、「介護記録のPCへの入力が同じ時間に集中してしまい、限られた台数しかないため作業のための順番待ちが発生する」ムラがあった。

富士山が見渡せるダイニングでインタビューに応じる西尾公雅代表取締役

タブレット端末とクラウド型の情報共有グループウエアで介護の質の向上と残業時間削減

 業務改善助成金を活用して各職員にタブレット端末を配布して、作業の隙間時間に逐一入力ができるように変更した。タブレット端末の導入には、業務改善助成金を活用した。クラウド型の情報共有のグループウエアを導入して、申し送り事項を随時共有できる仕組みにした。重要情報を全職員で共有できるようになり、伝達の情報量も増え、コミュニケーションの質が大幅に向上した。

タブレットで引継ぎ事項を確認

 記録や情報共有にかかっていた時間を3割(一人一日当たり15分、会社全体で月375時間)削減した。職員が入居者の介護ケアという本質的な業務により注力できるようになり、介護の質が向上した。今まで以上にコミュニケーションが円滑になり、現場の状況や問題点の把握もしやすくなったことで仕事が円滑に進むようになった。介護の記録のための残業も削減した。

「システム導入によって効率化でき、サービスの質もよくなったと思う」と語るヘルパー職員

 現場のヘルパー職員も効果を実感している。「ペーパーレスになったので、職員間の情報の共有が早く的確にできるようになりました。もれなく全員が同じ情報を見ることができるようになったのは大きいです。体温や食事量などの情報を見られるようになり、隙間時間を使って確認することもできるようになりました。時間ができた分、入居者様と接する時間も増えました。システム導入によって効率化でき、サービスの質もよくなったと思います」。

「入居者様の喜ぶことができるようになりました」と語る富士山松岡ガーデン施設長の谷口由美子さん

 施設長の谷口由美子さんも DX化の推進で、入居者様の望みもかなえられるようになったことを実感している。「システム化ができたことで、職員の皆さんへの情報の展開が一元化できて、漏れがない。今までの申し送りノートだとチェックした、見た、見ないということがあった。今回のシステム化で、誰が見ているのか、見ていない職員に対して見るように指導もできるようになったので情報の展開がスムーズになりました。システムが導入されたことによって3割ほど時間が削減できています。職員は入力する時間が減ったので、入居者様とのコミュニケーション、職員間でのカンファレンス(この方のこういうところが今気になるという話し合い)ができるようになっています。余裕ができた時間で、レクリエーションや脳トレをやっている間に、相談事も気軽に入居者様から受けることができるようになったので、入居者様の要望をかなえるということで、色々な訪問販売にきてもらうなど、入居者様の喜ぶことができるようになりました」(谷口さん)

巡視業務を介護ロボットで機械化して、夜間帯の業務負担の軽減

 夜の見守りは、職員の業務負担になっている。扉の開け閉めで入居者が目を覚ますことがあり、睡眠の質が低下する。一部の事業所で、巡視等にかかわる業務を介護ロボットで機械化した。ベッドにセンサーを設置して、睡眠状態を測定し、事務所で把握できる。入居者の睡眠の質が向上し、夜間帯の職員の業務負担を軽減できている。日中に寝てしまう人の把握や、睡眠状態を遡って確認することもでき、対応の必要な入居者への対応に集中できている。

PC画面で入居者の睡眠状態を確認

外部研修への参加などやりがいを感じながら仕事ができる体制を目指して

 西尾代表取締役は「入居者様へ向いたケアを中心とした仕事ができるようにしていきたい。仕事のやり方を変えることで、新たな取組みも始め、今まで以上により良い体制で働いていただきたい。たとえば、外部研修に参加いただいたり、皆さんの施設生活を向上させるための委員会活動などを充実させていきたい。介護事業という社会に不可欠である大切な仕事に意義と責任を感じながら、日々入居者様と関わらせていただいている。当社では、働く皆さんにも働きやすい環境を提供し、時間をかけた入居者様とのふれあいや支援の時間を中心に、やりがいを感じながら仕事ができる体制を目指す。当社で働き続けたいと思っていただけるよう、働く皆さんの声に耳を傾け、足りない部分は日々改善しながら魅力ある企業づくりを実践していく。それが回りまわって入居者様の笑顔につながり、その方らしい暮らしを支えることになると信じている」と語る。

取組みを支援した辻本元彦社会保険労務士(静岡県会)

 取組みを支援した辻本元彦社会保険労務士も、「西尾代表取締役をはじめ従業員様一同、常に業務の改善とサービスの向上、さらにはリスキリングを実践していて訪問をすることでいつも刺激を受けます。『支援社労士』である私も微力ではありますがこれからも一層強力に支援を継続していきます」と語っている。

 ウエストトラスト・ライフサポート株式会社の働き方改革へのチャレンジを通じて、「入居者様のその方らしい暮らしをささえるために、誠実な行動でお客さまと地域社会に貢献する」取組みは、これからも続いていく。

支援社会保険労務士:辻本元彦氏(静岡県)

CASE STUDY働き方改革のポイント

取組1

記録のための残業時間の削減

効果
職員にタブレット端末を配布して、介護記録を作業の合間に逐一入力できるように変更し、記録のための時間外労働時間を削減
取組2

申し送りの効率化、抜け誤解の防止

効果
クラウド型の情報共有グループウエアを導入し、情報共有のための時間の削減、情報の抜け誤解の防止、コミュニケーションの質の向上
取組3

夜間帯の業務負担の軽減、入居者の睡眠の質の向上

効果
巡視等にかかわる業務を介護ロボットで機械化し、夜間帯の職員の業務負担の軽減と入居者の睡眠の質の向上
取組4

記録のための残業時間の削減

効果
職員にタブレット端末を配布して、介護記録を作業の合間に逐一入力できるように変更し、記録のための時間外労働時間を削減
取組5

申し送りの効率化、抜け誤解の防止

効果
クラウド型の情報共有グループウエアを導入し、情報共有のための時間の削減、情報の抜け誤解の防止、コミュニケーションの質の向上
取組6

夜間帯の業務負担の軽減、入居者の睡眠の質の向上

効果
巡視等にかかわる業務を介護ロボットで機械化し、夜間帯の職員の業務負担の軽減と入居者の睡眠の質の向上

COMPANY DATA企業データ

常にお客様の立場に立ち、地域に根差した真心のこもったサービスを提供する。その方らしい暮らしをささえるために、誠実な行動でお客さまと地域社会に貢献する。

株式会社ウエストトラスト・ライフサポート

代表取締役:西尾公雅
所在地:静岡県富士市
従業員数:74名(2022年12月現在)
設立:2013年1月
資本金:5,000万円
事業内容:
1.「富士山するがテラス」(介護付き有料老人ホーム(特定施設) 93室)の運営
2.「富士山松岡ガーデン」(サービス付き高齢者住宅 29室、松岡ケアセンター(訪問介護拠点))の運営

経営者略歴

西尾公雅(にしお・きみまさ)
略歴:富士東高校卒業、法政大学経済学部卒業。大学時代は野宿同好会に所属し、日本国内の各所や海外を旅する
• 1997年 株式会社セブン-イレブン・ジャパン入社
 店舗店長、経営指導員、営業業務、商品本部にて地元静岡の味を再現した商品開発(おにぎりや弁当など)を行う
• 2006年 株式会社ウエスト・トラスト設立
 実父の病気をきっかけに、会社を退職し起業、祖父の代から続く紙の販売と不動産業を継承するとともに、大型LED照明の製造および販売に携わる
• 2013年 株式会社ウエストトラスト・ライフサポート設立
 富士駅前再開発ビルの建設組合の理事長として活動する中で、生まれ育った地元富士市に活気を取り戻したいという思いに駆られる。そのために、富士駅前ビルを衣食住の住とそれに付随する福祉のビルとし、地域の包括ケアシステムの核となる拠点としたいという思いから介護業界への参入を決意
• 2017年 介護施設第1号となるサービス付き高齢者向け住宅「富士山松岡ガーデン」を静岡県富士市にオープン
• 2018年 サービス付き高齢者向け住宅、介護付き有料老人ホーム「富士山するがテラス」を静岡県富士市の富士駅前ビルにオープン