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株式会社吉川造園

業種

建設業

地域

中部

従業員数

10人未満

File.154

家庭、人を大切にし、週休2日制を実現 ―働き方改革の推進により若者の確保、育成につなげた「株式会社吉川造園」の場合―

生産性の向上による処遇改善

2023.03.24

株式会社吉川造園

 吉川造園株式会社は、福井市南部にあり、創業80余年の実績と信頼で地域に密着した会社である。「お庭づくりを通じてお客様の家庭を支える」をモットーに、長年受け継がれる剪定技術や剪定作業を継承してきた。庭木のお手入れはもちろんのこと、除草や消毒・伐採作業なども行っている。特に年間を通じての管理はお客様に大変喜ばれている。

屋外作業が避けられない造園業の作業環境改善に様々の工夫と取組み

 吉川英晴代表取締役は、屋外作業が基本となる造園業という業界の特性から生じる課題をなんとか解決したいとの思いから、働き方改革に取り組むこととした。吉川代表取締役が認識していた課題と解決への道筋は、次の3点である。

①ユニフォームを新調し生産性・安全性向上
 造園業という業種柄、屋外で作業をすることが多く、暑さにより作業効率が低下し労働時間・身体的負担の増加に加え、
 福井県特有の雨や雪などの悪天候により作業が中断することよる時間外労働・休日労働が課題であった。

➁教育訓練制度の導入 
 造園業という業種柄、専門的な技能・資格が求められるため、即戦力となる中途採用による経験者の採用を行ってきたが、
 繰り返しの離職により人手不足に陥っていた。

③週休2日制の導入 
 天候に左右されやすい業種柄、年間休日の明確化及び年間休日の確保が必要である。

 

ユニフォームを新調し生産性・安全性向上

 造園業という業種柄、屋外で作業をすることが多く、暑さにより作業効率が低下し労働時間・身体的負担の増加に加え、福井県特有の雨や雪などの悪天候により作業が中断することよる時間外労働・休日労働が課題であった。

 このような課題を改善するため、登山家も愛用するアウトドアブランドの作業用ユニフォームを採用し全社員へ支給した。通気性や伸縮性に優れているため、暑さ対策がなされ格段に作業効率が向上した。また、登山にも使われるような雨具・靴の支給も同時に行い、これにより雨や雪などの悪天候時にも作業をすることができ、怪我などの安全対策にもつながった。


新調したユニフォーム

教育訓練制度、完全週休2日制の導入

 造園業という業種柄、専門的な技能・資格が求められるため、即戦力となる中途採用による経験者の採用を行ってきたが、繰り返しの離職により人手不足に陥っていた。

 そこで新しく新卒採用を開始し、未経験者も積極的に受け入れ、自社で長期的に育成していくこととした。未経験者に必要な知識、技能を習得してもらうため、教育訓練制度を整備し、造園技能学校への通学及び大型免許等を取得するための自動車学校への通学を所定労働時間内に行えるようにした。

 天候に左右されやすい業種柄、年間休日の明確化及び年間休日の確保が必要である。そこで作業効率を向上させることなどに取り組み、時間外労働、休日労働を削減した。また、完全週休2日制を導入した。これにより年間休日が大幅に増加した。

日本一の庭師を目指します

 「アウトドアブランドの作業用ユニフォームはとても動きやすく、安心して作業を行うことができます。以前作業を担当したお客様が登山が趣味ということもあり、作業用ユニフォームを通して声をかけてもらったこともありました。作業用ユニフォームへ袖を通すと気持ちの切り替えができ、集中して作業をすることができます」と令和4年入社の仲野七海さん。


令和4年入社の仲野七海さん。
造園技能学校へ通いながら技能の習得に努める。将来の夢は日本一の庭師になること。

 仲野さんは現在、会社の教育訓練制度を利用し造園技能学校へ通学している。「造園技能学校では、覚えることもたくさんあり、大変なこともありますが、造園の基礎をしっかり学ぶことができとても勉強になります。会社の教育訓練制度を利用することにより、費用がかからずに学ぶことができます。5年後、10年後の自分の姿を想像し、日本一の庭師を目指していきます」と夢は大きい。

 また、「週休2日制が導入されたことにより、仕事とプライベートをうまく両立できるようになりました」とプライベートも充実した様子が伺えた。

働き方改革で造園業を魅力あふれる職場に


吉川英晴代表取締役

 吉川英晴代表取締役は、働き方改革への取組みについて次のように語る。

 「今回の登山家も愛用するアウトドアブランドを作業用ユニフォームに採用し全社員へ支給したことにより、屋外での作業がしやすくなり、社員の作業時間、身体的負担が大幅に軽減された。また、お客様からユニフォームをきっかけに話しかけられることもあり、笑顔でコミュニケーションがとれる時間が増え、職場の雰囲気もよくなり仕事に「やりがい」を感じてくれていると思う。

 教育訓練制度を利用し造園技能学校や自動車学校へ通学することにより、自身が成長していることを強く感じていると思う。スキルアップしていくことにより自身の将来設計が描けるようになれば、人材の定着促進にもつながると確信している。

 完全週休2日制を導入することにより、より家庭も大事にすることができるようになったと思う。今後、さらなる休暇の確保をとおして仕事と家庭の両立を図っていきたい」。

 これからも、造園業の魅力アップにより人材の確保、育成に取り組む姿勢を強調する。

支援社会保険労務士:青垣達也氏(福井県)

CASE STUDY働き方改革のポイント

取組1

ユニフォームを新調し生産性・安全性向上

効果
通気性・伸縮性に優れたアウトドアブランドのユニフォームの着用により、屋外での作業がしやすくなり、作業効率が格段に向上した。また登山にも使われるような雨具・靴も同じように選び着用しているため、急な雨や雪などの悪天候により作業が中断することが少なくなり、時間を有効的に使えるようになった。
取組2

教育訓練制度の導入

効果
未経験者でも業務に必要な知識・技能を習得できるよう新たに教育訓練制度を導入した。費用は全額会社で負担し、所定労働時間内に通学できるようにした。
取組3

完全週休2日制の導入

効果
1年単位の変形労働時間制を廃止し、完全週休2日制を導入したため、年間休日が大幅に増加した。 就業規則の改正・周知も行い制度の拡充を図った。

COMPANY DATA企業データ

家庭とは、家族、そして家族が生活する場所。
その場所は、文字が表すとおり”家”と”庭”があって成り立ちます。
”庭”は、家族が生活するために楽しさを、安らぎを、美しさを、与えてくれます。
私たち吉川造園は、お庭づくりを通じてお客様の家庭を支えます。

株式会社吉川造園

代表取締役社長:吉川英晴
所在地:福井県福井市
従業員数:2名(2022年10月現在)
設立:1945年5月設立 
資本金:100万円
事業内容:造園工事の設計、請負、施工

経営者略歴

吉川英晴(よしかわ・ひではる)
略歴:平成9年4月大手建設会社就職。平成12年5月吉川造園入社。平成27年5月株式会社吉川造園設立、代表取締役就任。
<資格・免許>
一級造園技能士
二級建設機械施工技士
職業訓練指導員免許