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クリーニング エイトドライ

業種

生活関連サービス業,娯楽業

地域

九州・沖縄

従業員数

10〜29人

File.165

労務管理改善で働きやすい職場環境づくりと助成金活用で生産性の向上 –大村市民の洗濯家事負担の軽減を目指す「クリーニング エイトドライ」の場合–

生産性の向上による処遇改善

2023.03.24

クリーニング エイトドライ

 現在、大村市内に直営店3店舗(本店工場、2号店、3号店)及び委託店舗3店舗の計6店舗で来店型のクリーニング業を展開しているエイトドライ。技術力には特に定評をいただき、県内だけでなく県外からの依頼や同業者から紹介されるお客様も多い。大村市民の洗濯家事の負担を軽減できるように、今後3号店は利便性を高めるためドライブスルー化を計画しており、将来的に市内8エリアでの営業展開を構想中である。

社員を大事にし、どこよりも働きやすく働き甲斐のある職場と思える会社にしたい

 働き方改革がスタートした時、店舗数も従業員数も少ない状況だったが、将来的には大村市内8店舗を展開するという事業目標があった。新しく出店していき、事業を拡大していく上で新規採用などの雇用の確保、教育をはじめとする人材の採用及び育成については必要不可欠となっていった。売上の面では、毎年前年度を上回っていており、順調な伸び率を示していた。しかし、雇用の面では、採用や教育をしても1、2年程度で退職してしまい、雇用が定着しない不安定な状況が続いていた。

 資金があれば、出店や機械や設備も導入はできるが、素晴らしい人材がいないと会社の成長や拡大もできない。社員の経験や知識は替えが利かず、育てる事も容易ではない。結果として社員が、機械や設備よりも会社の「宝」であり「財産」であることを再認識した。

 そこで、長崎県内のクリーニング業界で、どの会社よりも好条件で働きやすく働き甲斐のある会社を目指して、それを実現できるように業務改善していき、社員が「働きたい」「自社の事を臆せずに誰にでも話せるような会社」にしたい。そうする事で長期雇用につながり、安心して働ける職場になり、停滞や後退する事なく結果として仕事の質や生産性も向上すると考え、そのためにも社員を大事にする会社を目指すために、訪問コンサルティングの申し込みを行い、吉田俊哉社会保険労務士の支援を受けて改革を進めた。

林浩二代表と支援した吉田俊哉社会保険労務士

「職場のルールブック」を作って、安心して働ける環境づくりを

 林浩二代表は、当社は従業員10名未満のため就業規則の作成・届出義務はないが、今後の事業発展や助成金活用を考慮すると就業規則の作成が必要と考えていたため、まず取り組んだのは会社のルールブックとなる就業規則の作成だった。

 就業規則の作成は、正社員用には「厚生労働省のモデル就業規則」を、パートタイム社員用には「パートタイム労働者就業規則の規定例」を基に進めていった。 就業規則を作成する場合、会社の現状をしっかり確認把握した上で、この条文は会社にとって必要かどうか、会社にマッチするか、変更するならどのように変更するか、将来を見据えてどのように作成したら良いかなど、林代表と吉田俊哉社会保険労務士がタッグを組み、従業員にも理解しやすく、従業員に説明でき、活用できる就業規則になるように進めていった。

 就業規則には、将来を見据えて安心して働きやすい環境を提供するための70歳までの雇用を明記した。特に、従業員の殆どがパートタイム社員であることから、正社員登用制度を創設した。勤務時間はパートタイム社員の希望を踏まえたものになっており、雇用契約書に明示するだけでなく、勤務時間のパターン約20種類を就業規則にも明示した。 就業規則が整備されたことで、労働条件の透明性が高まり安心感が生まれ、会社に対する信頼が高まった。

 また正社員について、永年の勤務に対する退職金制度を導入した。 中小企業退職金共済制度を導入し、退職金規程はどのように作成するかを検討し、パートタイム社員が正社員転換したときも考慮し作成した。 退職金制度ができたことで退職後の生活に対する希望と安心感が生まれ、将来はパートタイム社員についても安心して永く勤めることができるような退職金制度を検討している。

社員に寄り添った職場環境を目指して

 現状を確認していく過程で、労務管理の改善点が見つかった。 まず労働条件通知書と雇用契約書の内容を見直した。そして労働者名簿・賃金台帳・有給休暇管理簿の備え付け等の徹底及びその管理や記載方法の見直しも行った。法定労働時間や所定労働時間の意味や違い、パートタイム社員の時間外労働の割増賃金の考え方など理解し、あわせて就業規則を「職場のルールブック」として活用することにより、適正な労務管理ができるようになった。

 これまでは不定期だった昇給時期を、最低賃金の引上げ時期近くに合わせることを就業規則に規定した。結果として助成金の活用と賃金の引上げが計画的に実施できるようになったため、会社として管理がしやすくなった。
 正社員の休日を完全週休2日制(日曜、木曜)にすることで、月4~7日程度の休みが8~10日以上となった。正社員の所定休日が改善されたことでより、パートタイム社員も休みが取りやすい環境になった。
 年次有給休暇の付与及び残日数の管理を適切に行い、社員に残日数を周知させて、より有給休暇を取得しやすくなるように半日有給休暇制を導入した。これにより、適正な労務管理や賃上げによって、より一層勤務意欲や生産性が向上して、目標とする「働きやすく好条件で働き甲斐のある会社」となっていった。

POSレジシステムの導入が、職場に劇的な変化を生んだ

 労務管理が適正に進めると同時に、業務改善も進める必要があった。適正な労務管理ができているため、雇用保険からの助成金を用いることを計画した。POSレジシステムの導入をすることにより、効率化を図ろうと考え、助成金を受給した。

 導入効果は抜群で、まずクリーニング受付対応時間が1人5分~8分かかっていたのが約半分に短縮された。また新人スタッフの養成期間が6か月から3か月程度に短縮するなど、クリーニング預かり商品の受付・引き渡しの商品管理・日次の締作業・顧客管理など、あらゆる面で業務を効率化でき、生産性が向上した。どのお客様でも、どの社員が対応しても伝達業務がスムーズにできるようになる等、受付品質の大幅な向上がみられた。そのため社員同士の意思疎通が強化され、更にチームワーク力が強くなったと感じられる。

 受付スタッフの前田一恵さんは、次のように会社を考えている。

 POSレジを導入したことにより、業務がスムーズに進み、時間的にも余裕ができ、管理体制やサービスの質も向上しています。入社し4年経ちますが、とても働きやすい職場であり、私たち社員の意見を大切にしてくれます。社員が求める働きやすい環境への改善、対策を実行してくれます。まず、子育て中の社員には、希望する勤務時間で働くことを優先してくれます。そして残業が少ないことです。だから、社員は決められた勤務時間に、任された仕事をどれだけ取り組めるかが重要になります。毎月希望の休みも取りやすく、出勤日数や労働時間も安定しています。

 また、クリーニング業務従事者という資格がありますが、3年に1度の資格更新があり、今後は資格手当をつけるという話が、会社からありました。社員一人一人の個性を尊重し、能力を最大限に発揮できます。それぞれの立場から意見を伝えやすい会社と、社員の関係性が会社を良くしていきたいという向上心となり、社員自ら働きやすい職場にしていける事で、モチベーションアップにもつながっています。

 「働きやすく働き甲斐のある職場」まさにその言葉ピッタリだと思います。
 働き続けられる環境であることは、とても大切です。

受付スキルが高い前田さん。クリーニング業務従事者技能資格も取得済

 

代表だけでなく社員も同じ方向に進む結集力でこれからも突き進んでいく。

支援社会保険労務士:吉田俊哉氏(長崎県)

CASE STUDY働き方改革のポイント

取組1

就業規則(正社員用及びパートタイム社員用)作成と退職金制度の導入

効果
就業規則が作成されたことで、労働条件の透明性が高まり安心感が生まれ、会社に対する信頼が高まった。また退職金制度ができたことで退職後の生活に対する希望と安心感が生まれた。
取組2

労務管理(帳票・賃上げ・休日休暇等)の改善

効果
帳票等を整備し、就業規則を活用することにより、適正な労務管理ができた。賃上げして、残業を極力しないよう促した。正社員の完全週休2日制により、パートタイム社員も休みが取りやすくなった。 半日有給休暇制を導入し、より休暇が取得しやすくなった。これらにより勤務意欲及び生産性が向上したため、人件費負担増、労働力減をカバーすることができた。
取組3

POSレジシステム導入にかかる助成金活用

効果
助成金を使ったPOSレジシステムの導入により、受付対応時間や新人スタッフの養成期間が約半分に短縮するなど、受付等の業務を効率化することができ、生産性が向上した。 受付品質の大幅な向上がみられた結果、社員同士の意思疎通が強化されており、チームワーク力が強くなった。

COMPANY DATA企業データ

心もぴかぴか人情味。思いやりがあり、お客様にも従業員にも『まじめで優しい』会社を目指す

クリーニング エイトドライ

代表:林浩二
所在地:長崎県大村市
従業員数:13名(2022年12月現在)
創業:1960年1月
事業内容:衣類等クリーニングサービス全般

経営者略歴

林浩二(はやし・こうじ)
略歴:高校卒業後、機械メーカーを経て家業であるクリーニング店を引き継ぐ。難易度が高い「きものの洗浄技術」や「しみぬきの京都式の技術」を習得し、洗い・仕上げ・しみ抜き処理を現場で経験した結果、技術力は、同業者からも依頼がくるほど高いものがある。