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株式会社ライフセキュリティー

業種

その他サービス業

地域

近畿

従業員数

30〜49人

File.171

多様な人材の受け入れで所定外労働時間削減と年次有給休暇の取得促進 ―地域の安全に貢献できる企業を目指す「株式会社ライフセキュリティー」の場合―

幅広い人材活用

2024.03.22

株式会社ライフセキュリティー

株式会社ライフセキュリティーは当ビル3階

 株式会社ライフセキュリティーは、会長と社長の二人で起業した警備会社であったが、創業当時から安全が全てに優先し、「安全があってこそ未来への第1歩が進める」を企業ビジョンとして、お客様のみならず近隣地域の安全にも配慮しながら企業運営をして来た結果、創業以来事故もなく過ごすことができている。

 今後とも「安全が未来を構築」の精神を次世代にも引継いでもらい、お客様、地域の安全に貢献できる企業を目指すと共に、従業員の未来に貢献するために長期雇用、健康管理に徹している企業である。

柔軟・多様な働き方による多様な人材の確保

 代表取締役会長である安井眞弥氏は、働き方改革に取り組むきっかけなどについて、次のように語った。

 「『仕事はあるが、人材不足で対応できない』量の仕事を無理して対応させていたため、長時間労働の是正が課題でした。働き方改革推進支援センターに支援を依頼したところ、専門家から『根本的な改善を行わなければ、同じことの繰り返しとなる』と指摘され、自社を見つめ直す機会を得ました。また、交替要員がいないため、体調不良であっても出勤せざるを得ないなど、従業員の健康管理の問題にも直面していました。人材募集については、従来のフルタイム募集とは異なる、『多様な人材』の受入れに関する提案を受けました。提案を聴いているうちに、自社でも何とかなりそうな気がしてきて、行動すれば『何かが変わる』と専門家に言われた言葉を、正に実感しています。」

 

働き方改革へ取り組んだきっかけを語る代表取締役会長、安井眞弥氏

 人材の確保にあたっては、コロナ禍で退職された方々を最優先に架電によりアプローチを行った。特に高齢者及び女性を対象に、「希望する出勤日や労働時間帯は本人に決めてもらう、事前申告すれば自由に変更可能」といった多様な働き方ができる職場をアピールし採用活動を行った結果、23名を採用できた。内訳は、週1日勤務者3名、週2日勤務者15名、午前のみ勤務者3名、午後のみ勤務者2名となる。全員60歳以上の高齢者である。予期しない欠員や勤務の穴をフォローし、確保した人材の効果を最大限に活用するため、交替要員を配置する新たな人材活用法を取り入れ、短時間労働者でも活躍できる職場を作ることができた。この「多様な働き方・人材の確保」が当社の魅力となり、日々の営業活動や地域における企業評価にもつながり好影響を与えている。

積極的な年次有給休暇の取得促進と所定外労働時間削減

 人材の確保により、新たに交替要員制度を作ることができ、所定休日を4週4日から4週6日に変更した。加えて従来月50時間程度あった所定外労働時間が取り組み後2か月で27時間程度まで約5割削減できた。また、交替要員制度を作ったことで遠慮することなく年次有給休暇を取得することができるようになった。年次有給休暇の取得率については、月1回必ず取得する取り組みを行った結果、支援終了時には取得率が20%以上増加した。休暇の過ごし方を話題として、職場内のコミュニケーションが活発化し、従業員相互間の連携が上手く行くようになった。

売上アップと従業員の健康増進を実現

 新たに採用した者23名中約7割の人員を警備業務に配置し、受注も増やすことができ、売上額が対前年同月比35%増加した。従業員の健康増進を確保する観点から、残り3割の人員を休暇代替要員、休憩交替要員として配置した。例年、夏に酷暑で体調不良による欠勤者が続出していたが、交替要員の配置により、休日や休憩が十分に確保され、従業員のモチベーションの向上につながり、万全の状態で職務に当たることができた。

 警備部長の山本修平さんは、会社の取り組みを次のように語っている。

 「例年、夏場は体調不良者が出て、警備員の確保に苦労することが多々あり、仕事に穴をあけかねないこともあったと聞いていましたが、今回の改革によって所定外労働時間も従来の半分程度になり、休日も増えたことで万全の体調で仕事に取り組むことができました。私が入社して初めての夏、警備部長として職責を全う出来るかと不安であったが健康管理にここまで配慮してもらえると、全従業員が安心して働けます。」

 

左から2人目が警備部長山本修平さん

多様な働き方で多様な人材を活用する方法を確立し、所定外労働時間の削減などの諸課題を解決

 株式会社ライフセキュリティーの取り組みを支援した社会保険労務士の上温湯順一氏は次のように語った。

 「支援先企業の全面協力が得られたことで円滑な支援ができた。『多様な働き方で多様な人材』を活用する方法を企業内で確立し、採用人員全員を警備業務に配置していれば売上額はもっと伸びていたと思うが、利益を優先するより、新たな交替要員制度を作り、従業員の健康管理の面でも好ましい結果を実現できた。従業員の労働時間を平準化することができ、所定外労働時間の削減、年次有給休暇の取得率の向上及び健康増進管理につながった。今後は警備要員と交替要員の割合の適正化を図り、更に短時間労働者の雇用の安定、正社員化への取り組みに期待したい。」

 

支援を担当した社会保険労務士の上温湯順一氏

CASE STUDY働き方改革のポイント

取組1

多様な働き方に対応した人材活用法の取り入れ

効果
多様で柔軟な働き方を選択できる人材活用法を取り入れ、短時間労働者でも十分に活躍できる職場環境を創出
取組2

積極的な年次有給休暇取得促進と所定外労働時間の削減

効果
4週6日の所定休日の導入、年次有給休暇の取得率が20%以上増加、所定外労働時間月50時間程度を27時間程度までに削減
取組3

売上額アップと従業員の健康増進

効果
新規採用人員を売上及び従業員の健康確保のために配置したことで、安定した売上額アップと従業員の健康増進を確保

COMPANY DATA企業データ

安全が未来を構築

株式会社ライフセキュリティー

代表取締役会長:安井眞弥
所在地:大阪府堺市
従業員数:34名(2023年11月現在)
設立:2007年6月
事業内容:警備業