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株式会社重藤組
建設業
中国・四国
100〜300人
File.181
スーパーフレックスタイム制導入によって時間外労働削減を達成 ―環境との調和を目指し地域の未来を築く「株式会社重藤組」の場合―
2024.09.25
株式会社重藤組は、人を育て、協力会社との相互繁栄に努める会社である。チャレンジと改革を忘れず、あらゆるものを創造する会社である。品質・環境・安全に配慮して業務効率化と改善活動を行っている。
災害はあってはならない。常に安全第一、安全と健康管理及び整理整頓を徹底し、災害ゼロを目指している。
全社と各部門で目標と計画を策定し実行している。これは、マネジメントシステムによって継続的にPDCAサイクルを廻している。
働き方改革の実行により取り巻く厳しい環境を乗り越える
代表取締役の重藤武士氏は、働き方改革の取り組みについて、次のように語った。
「建設業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、当社の課題は、第1に時間外労働の削減です。若手社員と中堅社員と管理職社員が何度も話し合いを重ねて、今年からスーパーフレックスタイム制を導入しました。第2に若手社員の流出防止です。新入社員研修の講師の方にメンターをお願いして新たに社外メンター制度を導入しました。この結果、離職者がいなくなっただけでなく、地元岡山の人気企業ランキング理系部門(2024年)にて、第1位を獲得できました。優秀な人材確保の面でも追い風になってくれそうです。第3にパートタイマー社員の時給アップや正社員への転換などによる待遇改善です。目標管理制度で評価をオープンにしました。」
課題を明確にし働き方改革の取り組みについて語る代表取締役の重藤武士氏
フレックスタイム制の導入で時間外労働の削減
地元における信頼度が向上すると共に受注量が増大し、社員の時間外労働が増えて年次有給休暇も取りにくい状況だった。
そこで社内の各部門長と若手社員が定期的に集まり「働き方改革会議」を開いて率直な意見交換をおこない、コアタイムなしのスーパーフレックスタイム制を導入し、精算期間を3か月に設定した。
これにより、生活と業務との調和を図りながら効率的に働くことができる職場の実現に取り組んでいる。
新入社員の社外メンター制度を導入し、定着化を推進
かつては、新規学卒者を採用しても早期退職する社員が多かった。社内でのメンター制度は存在していたが、先輩や上司に本音を吐き出しにくく制度が形骸化していた。新入社員研修を毎年依頼していた講師の先生と相談の上、オンラインによる社外メンター制を導入した。
これにより新入社員は毎日の仕事の内容(失敗談、苦労話など)のほか、プライベートに関しても本音で語るようになり、社外の第三者(講師)が客観的な意見を伝えるというカウンセリング的効果が現れ、ここ数年は退職者ゼロを実現している。
正社員転換制度と時給アップでパートタイマーのモチベーション向上
関連事業として運営しているゴルフ練習場とレストランではパートタイマーが20人ほど働いている。パートタイマー社員の退職頻度は少ないとは言えない状況であり、改善すべき課題のひとつであった。そこで職種別に目標を設定して評価基準を明確にすることで、目標達成度が本人にも上司にも分かるようになった。これに基づき、面談の中で時給アップ(待遇改善)及び正社員への転換についての打診を行うなど、パートタイマー社員のモチベーションがアップすることを図っている。
フレックスタイム制により体が楽になりました
総務部の花房隆行さんは、今回の取り組みを振り返って次のように話してくれた。
「現在、総務部で経理の仕事を担当しています。決算業務が集中する10月から11月にかけてはどうしても時間外労働時間が増えてしまっていたのですが、フレックスタイム制の導入で、3か月の中で労働時間を調整できるようになり、労働時間が増えた翌月は午後から早退して家族サービスをおこなうなど、メリハリのある生活をできるようになりました。確実に休日が増えて体も楽になり、仕事に対する充実度は大幅にアップしました。」
取り組みについて語る総務部の花房隆行さん(1995年入社)
経営者の課題認識とスタッフの理解が成果となる
働き方改革への取り組みを支援した社会保険労務士の荒木廣行氏は次のように語っている。
「岡山働き方改革推進支援センターから36協定の作成支援を依頼されて訪問しました。お話をお聴きして分かったことは、36協定はしっかりと作成されている。ただ、現場が30か所以上と数が多いこと、1年を超える長期工事があり、中には3年間以上の物件もあるという事です。このような状態で2024年問題にどのように取り組むかが課題でした。
当社の経営者は、課題をしっかりと認識されていること、経営者を支えるスタッフは経営者の想いを理解されていること、それがこのような素晴らしい成果となりました。」
支援を担当した社会保険労務士の荒木廣行氏
CASE STUDY働き方改革のポイント
フレックスタイム制の導入
- 効果
- 時間外労働の上限規制をいかにクリアするかという課題の解決に向け、従業員の話合いにより、スーパーフレックスタイム制を導入。
若手社員の想い・悩み・不安を上手く聞き出す
- 効果
- メンターの専門家によるオンライン相談で新入社員の不安が解消できるようになった。制度を開始してから、退職者ゼロを継続。
パートタイマーを大きな戦力とする
- 効果
- 目標を一緒に立て、それに基づき行動してもらい、正しく評価することでモチベーションの向上に貢献した。
COMPANY DATA企業データ
「夢・創造」企業として、時代の流れを把握し、顧客と社会のニーズ及び期待に応えると共に、顧客と利害関係者の満足向上を目指す
株式会社重藤組
代表者:代表取締役 重藤 武士
所在地:岡山県岡山市
従業員数:100名(2024年5月現在)
設立:1962年
事業内容:公共建築工事・土木工事施工・一般建築(マンション・テナントビル・商業施設等)・企画・設計・施工・住宅建築 企画・設計・施工・賃貸マンション経営・ゴルフ練習場経営・レストラン経営・警備業経営・広告宣伝、人材紹介、教育・育成事業