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株式会社友和物流

業種

運輸業,郵便業

地域

関東

従業員数

50〜99人

File.183

最新デジタル機器等による働き方の見える化でさらなる業務効率化を目指す ー2024年問題の課題解決に取り組む「株式会社友和物流」の場合ー

時間外労働の削減

2024.09.25

株式会社友和物流

 千葉県浦安市に本社を置き、首都圏を中心に主として4つの事業(一般貨物自動車運送事業、利用運送事業、倉庫事業、物流コンサルティング事業)を展開している株式会社友和物流は、グループ企業のネットワークを活かし、迅速かつ安全に、信頼できる配送を心掛けている。

 また、Gマーク認証、ちばSDGsのパートナー登録企業として社会貢献についても積極的に取組んでいるところである。

ドライバーの職場環境の改善と年齢構成の適正化を目指す

代表取締役である伊藤正氏は働き方改革に取り組むきっかけなどについて、次のように語った。

 「2024年問題に対する同業各社の好取組事例、労働関連法及び改善基準告示の改正点や留意事項について情報収集とあわせて、専門家の助言も参考にしたいと思っておりました。

 主な課題としては、①荷待ち時間の是正、②ドライバー職の高齢化と若年層の採用など要員体制の安定化、③正確な勤怠管理による労働時間及び休憩時間の正確性の確保、④デジタルタコグラフ(以下、「デジタコ」という。)等の最新機器を導入し、生産性向上を図りつつ長時間労働を是正、⑤その他、各種助成金についても興味をもっていました。」

働き方改革の取り組みについて語る代表取締役の伊藤正氏

荷主に対する荷待ち時間の是正への効果的な協力要請

 荷待ち時間の客観的データの収集(ひと月・3か月・半年・年間等)による実態把握とデータに基づいた荷主側との丁寧かつ粘り強い交渉を実施した。荷主側としては実際の荷待ち時間のデータを提供されることにより、荷待ち是正への理解も深まり徐々に改善傾向にある。なお、繁忙期や連休前などの荷待ち時間是正については、今後の課題でもある。

離職防止や若年層採用による適切な要員体制の確保

 自社ホームページや職業紹介事業者等の一般的な採用方法では、高齢者の応募が多く若年層の応募が殆どない。そのため、一般的な採用方法と並行してリファラル制度導入を検討し、特に若手ドライバー経由での紹介を期待しているところである。

 また、ドライバー職の高齢化に伴う健康及び事故(労災)防止への対策として、高齢ドライバーの健康度をチェックするため、脳ドッグ及びロックスインデックス検査結果により運行業務の可否判断をするように検討しているところである。

デジタコのバージョンアップ&さらなるDX化推進

 最新版デジタコにバージョンアップ(長時間乗務へのアラート発信による注意喚起機能の追加)することで労働時間及び休憩時間の正確な把握など勤怠管理の効率化が図れ、さらに給与計算データとしての活用についても効果があった。

 今後はAI点呼機器やIT補助金の活用による新勤怠管理システムの導入も計画しているところである。また、最新アルコールチェック機器の導入や車載(車内外)カメラによる運行状況の実態把握による運転指導及び事故防止にも役立てている。

継続的な取組により意識改革が進みました

 港第二営業所部長の内藤和馬さんは、今回の取り組みを振り返って次のように話してくれた。

 「デジタコの最新鋭化により以前よりも増して長時間労働の是正、改善基準告示遵守への理解や自己の意識改革ができていることを感じています。また、各自の運行状況、長時間労働へのアラート発信など実態の把握と改善にも寄与していると思っています。

 このような継続的な取組によってドライバー職、整備部門、事務部門がチームとして2024年問題を捉えるようになり、課題解決への対策が少しずつ実を結ぶと思っています。」

港第二営業所 部長の内藤和馬氏(2015年入社)

2024年問題は従来の経営方針や運行体制などを抜本的に見直す機会です

 今回の働き方改革への取り組みを支援した社会保険労務士の永野寿幸氏は次のように語っている。

 「2024年問題はある面では企業にとって今までの経営方針、運行体制など抜本的に見直しする機会であると思います。もちろん、自社だけで解決できるところもあれば、荷主側や協力会社などあらゆる当事者間の協力なしでは解決できないところもあります。専門家としては、運輸業に限らずあらゆる業種の好取組事例などのお役立ち情報や労働関連諸法令改正の内容、留意事項、直近の重要判例等の最新情報提供を通して2024年問題解決への一助、生産性向上など企業運営イノベーションに向けた支援に向け継続して挑戦していきたいと思っています。」

取り組みを支援した社会保険労務士の永野寿幸氏

 

CASE STUDY働き方改革のポイント

取組1

荷待ち時間の是正への 効果的な協力要請

効果
客観的な実態把握とデータ提供により荷主側や協力会社との相互理解が進み、今後の荷待ち時間の是正への効果が期待できる。
取組2

従業員の安定的な確保と 健康管理体制の構築

効果
年齢バランスの取れた要員体制を目指し、リファラル採用の導入検討。高齢者の健康状態チェックによる事故防止や安全運行の推進。
取組3

最新機器等の導入による 従業員の意識・行動改革

効果
従業員が運行状態をチェック。2024年問題対策への会社の取組姿勢に対し、全従業員の労働時間短縮への意識・行動改革にも好影響。

COMPANY DATA企業データ

「真剣だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳が出る。」

株式会社友和物流

代表者:代表取締役 伊藤 正
所在地:千葉県浦安市
従業員数:90名(2024年4月現在)
設立:1999年11月
事業概要:一般貨物自動車運送事業、利用運送業、倉庫事業及び物流コンサルティング事業