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生活クラブ生活協同組合(奈良)
生活関連サービス業,娯楽業
近畿
10〜29人
File.195
地域貢献と働きやすさを両立する 生協配送業務の改革 ー国内生産を持続可能なものに、循環と共生の輪を広げていく「生活クラブ生活協同組合」の場合ー
2026.03.27
奈良県大和郡山市の生活クラブ生活協同組合(奈良)は、2003年4月に奈良県で第3の生協を創立するため、2006年11月に生活協同組合ウィルコープならを創立。その後、2008年に東京で1968年に創立された「生活クラブ生協」の理念に共感し、生活クラブ連合会へ加入、生活クラブ生活協同組合に名称変更し現在に至る。安心できる食の国内生産を持続可能なものに、再生可能エネルギーをもっと身近なものに、誰ひとり取り残さない社会を実現するために、意志ある生産者と消費者が手を組み、循環と共生の輪を広げていくための活動を続けている。
職員が心身ともに安心して前向きに働ける職場環境を作る
代表理事である城本塁氏は、働き方改革に取り組むきっかけについて、次のように語った。
「配送部門においては、早朝からの積み込み、配送、現場での組合員対応、帰着後の事務処理等多岐にわたるため、長時間労働が続いていました。
その問題を人員強化で解決しようと採用を行ってきましたが、新入職員の早期退職が続いたことに加え、中堅職員の退職もあり、急激に人手不足に陥りました。その為、管理者が慢性的に配送業務に出るなど、事業計画、遂行にも影響が出かねない状況でした。そのような中、職員が心身ともに安心して、前向きに働くことができる職場環境整備が急務と感じ、業務内容や働き方の見直しを考えるようになりました。」

働き方改革に取り組んだ代表理事の城本塁氏
総合的な配送業務の効率化推進
まず、従来は市町村単位で設定していた配送エリアを、地理的な近接性と効率的な配送ルートを基準とした新たな配送エリアに設定し直し、業務の平準化と移動時間の短縮を図った。次に、配送担当者の有給休暇取得を促進するため、「代送手当」制度を新設。従来は、配送担当者が休暇を取得する場合は、上司である管理者の他、配送経験を持つ営業部門職員が代替対応していたが、営業部門職員の代替は負担感が大きく、結果として配送担当者の休暇取得にも心理的負担が生じていた。代送手当の支給により、休暇を取得する側の心理的負担が軽減されたほか、営業部門が定期的に配送業務に携わることで、部門間連携の強化という副次的効果も得られた。
業務用スマートフォンの活用による労働時間削減
配送業務のデジタル化推進として、全配送担当者へ業務用スマートフォンの配布を計画している。
配送先での要望や次回注文に関する情報をデジタル記録することで、帰着後の事務処理時間が大幅に短縮できるほか、GPS機能を活用した配送進捗管理により、配送遅延が予想される場合は、事業所から組合員への連絡を代行したりするなどして、質の高いサービスを提供しながら、労働時間削減も同時に実現する。
成果連動型人事評価制度の新設
配送担当者のモチベーション向上と公平な処遇実現のため、質の高いサービス提供や相互協力の姿勢と、生産性向上を同時に実現した配送担当者を高く評価することができる、多面的な人事評価制度を来期から導入するべく、構築に取り組んでいる。人事評価運営においては、定期的な面談を通じて、各自の目標設定や課題解決をサポートしていく方向である。このような取組により、「早く帰ってしっかり休み、翌日また質の高い仕事をする」という好循環を生み出すとともに、各自の成長実感を高めていくことを狙う。また、組合員とのコミュニケーションや地域貢献という本来業務に集中できる働き方を推進し、配送担当者全員が働きがいを感じられる職場づくりを目指す。

働き方改革が進み、より働きやすい環境になると感じています
事業部共同購入運営課 遠藤 郁弥さんは、今回の取り組みを振り返って次のように話してくれた。
「この職場は職員同士の距離が近く、上司含め生協内の誰とでも気軽に話すことができると感じています。現在は時間的な余裕があまりなく、業務中に組合員と対話し、コミュニケーションをしっかりと取ることが難しいですが、組合が業務内容の見直しや人材の確保に動いていると聞いており、今後については心配していません。」

事業部共同購入運営課 遠藤 郁弥氏(2024年入協)
また、事業部共同購入運営課 服部 一華さんは、今回の取り組みを振り返って次のように話してくれた。
「配送業務にやりがいを感じながら働いていますので、働き方改革が進むことで、より働きやすい環境になると期待しています。今後は当事者意識を持って、この改革に貢献していきたいです。」

事業部共同購入運営課 服部 一華氏(2025年入協)
生活クラブ生活協同組合(奈良)の取り組みを支援した社会保険労務士の赤松実氏は次のように語っている。
「地域貢献を使命としながらも、配送担当者の長時間労働という課題を抱えていました。支援にあたっては、『組合員との対話を大切にする』という理念を損なわない改善策の模索に注力しました。ICTの活用で業務効率化を目指す一方、配送担当者の成長に資する人事評価制度の導入など、複数の施策を組み合わせて提案し、『代送手当の新設』など既に実現した取組みもあります。
事業所の前向きな姿勢には大変心強いものがあり、今後さらなる業務効率化と働きがいの向上が実現されることを期待しております。」

取り組みを支援した社会保険労務士の赤松実氏
CASE STUDY働き方改革のポイント
業務の平準化と 年次有給休暇取得促進
- 効果
- 業務負担の偏りを解消し、年次有給休暇を取得しやすい体制の構築により、配送担当者全員が安心して働ける職場環境を実現する。
ICT活用による業務の効率化
- 効果
- 業務用スマートフォンで配送進捗を可視化し、事務処理時間の短縮や、事業所との円滑な情報共有を図る。
成果を評価する制度づくり
- 効果
- 多面的評価による人事評価制度で、効率的な働き方と質の高いサービスを両立する配送担当者を適切に評価する仕組みを構築する。
COMPANY DATA企業データ
私たち生活クラブ生活協同組合(奈良)の職員は、協同し、持続可能な社会、豊かな地域づくりに貢献します。
生活クラブ生活協同組合(奈良)
代表者:代表理事 城本塁
所在地:奈良県大和郡山市
従業員数:22名(2025年11月現在)
設立:2006年11月
事業内容:組合員に生鮮食品、一般食品、家庭用品、衣料品等を供給する事業。
