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スリー・アールシステム株式会社

業種

卸売業,小売業

地域

九州・沖縄

従業員数

50〜99人

File.134

多様性を認めるダイバーシティ経営で強くしなやかな組織を作る―時代を先駆る商品・サービスを提供し続ける「スリー・アールシステム」の場合‐

生産性の向上による処遇改善

2022.02.01

スリー・アールシステム株式会社

 光学機器、デジタルグッズの製造販売、ソフトウェアの開発やeスポーツチームの運営までを手がける。右肩上がりの急成長を遂げている背景には、世の中のニーズにあった商材をいち早く取り入れる高感度なアンテナだけでなく、そこで働く人材に向き合う同社ならではのユニークな視点も一役買っている。大胆かつ柔軟な発想で「働き方改革」を進めるスリー・アールシステム株式会社の在り方に迫る。

個々の生き方を支援する姿勢が
ダイバーシティ経営の基盤に

 「どこの組織でもそうだと思いますが、ずっと続けてきた人と新しくやってきた人がともに働いていくのが組織です。これまでやってきたルールを壊していく作業は、働き方改革に限らず大変なことですよね」と話を切り出したのは、『スリー・アールシステム』の代表・今村陽一さん。同社が2016年から「時短正社員制度」を導入したきっかけは、妊娠・結婚のラッシュが訪れたこと。一般的に女性の第一子出産後の離職率は、約60%と言われる中、一度キャリアが途絶えてしまえば、さまざまな情勢が女性の再就職を阻む。このままでは、せっかくの優秀な人材が離職の危機にさらされてしまう。そのことに危機感を覚えた今村社長は「時短正社員制度」の必要性を痛感した。「女性雇用を促進した理由は、将来的に会社が強くなると判断したからです。今の労働市場を見渡すと、同じキャリアと能力を持った男女を探すと男性の方が圧倒的に競争率が高いという現状があります。それなら働きやすい環境を整えて、有能な女性に来てもらえばいいと考えたんです」。

「元々、人が好きなんです」と今村代表。社員への愛情と旺盛な好奇心、機知に富んだ軽やかなリーダーシップで社員を牽引している。

 「時短正社員制度」の導入はトップダウンではなく社員らが自主的に意見をまとめ、制度導入に向けて必要な動きを取ったことが成功の鍵となった。「社員に主体的に取り組んでもらえば、リアルな現場の声を取り入れた制度の構築ができるとともに、既存の体制に固着しがちな考えも現場から変えていくことができます」。

 現在、同社では働く時間を一律に定めず、社員の事情に合わせてカスタマイズできる「時短正社員制度」を整えている。同制度は育児だけでなく、結婚、副業、学業や夢の実現を理由に選択することが可能。一律に6時間と定めていないため、1日に5時間であったり、週に3日、1日3時間半働く社員もいて、現在13名が利用している。正社員と同様に無期雇用で、正社員と同一の待遇となっている。もちろん年次有給休暇も付与され、手当は労働時間に応じた形で支給される。性別や環境にかかわらず個々の生き方を応援する同社の姿勢は、人材の確保と定着へとつながっている。たとえばデザイナーやWebマーケターなど必ずしも対面を必要としない職務の場合は、在宅勤務と出社日を使い分けるなど、より柔軟な勤務形態を採用。それぞれの能力を存分に発揮できる環境を推進してきた同社。なかには入社半年ほどで昇進した時短正社員の役職者もいるほどだとか。

時短正社員制度を活用しながらプロeスポーツプレイヤーとして活動している。“プロゲーマー”としての生き方を理解し、ともに歩もうとする同社の可能性は広がる一方だ。

 「時短正社員制度の一番のメリットは、柔軟な考えを持った多種多様な人材を獲得できることです。上意下達の組織とは対極にある21世紀型のダイバーシティ経営ができているのは、こうした取り組みの成果だと思います」と今村社長。また、社員の生き方を支援する取組は、勤務形態だけに止まらないのも同社の大きな特長だ。たとえば、近年では有料アプリサービスを月額1,000円まで補助する「DX推進制度」の開始。そのほかサークル活動や禁煙手当の支給など健康促進まで社員が「やりたい」と提案したことは、事業同様に挑戦している。

 個々の成長とともに組織としての受け皿がますます広がり、豊かなものになっている。『スリー・アールシステム』は、今後も独自の発想であらゆる壁を飛び越え、快進撃を続けていく。

入社2ヵ月で社内図書館を創設
自由な社風を肌で感じた

 仕事に限らず個々の成長をうながす鍵は、インプットとアウトプットの循環を整えることにある。読了した本の感想文を全社員に向けて一斉に送信すると、一律1000円の支給と無類の読書好きである今村代表から返事がもらえるという。同社はさらなる読書推進のため、5年前に「社内図書館」の設立に乗り出した。設立に一役買ったのが、当時入社2ヵ月を迎えたばかりの前本希さんだ。「私が入社したタイミングで、全社的に読書習慣を強化することになりました。“前本さんは本好きだったよね? これから社内図書館を創設するからお願いね”と言われた時は、さすがに驚きました」と前本さん。現在、社内図書館の蔵書は3100冊に及び、社員なら誰でも気軽に利用できる憩いの場となっている。

明るい笑顔が素敵な前本希さん。その表情から風通しの良い同社の空気感が伝わってくる。
休憩室も兼ねた社内図書館。蔵書は社内外からの寄贈と、社員から選抜された図書委員のセレクトで構成されている。
女性に限らず、個々のライフスタイルを尊重する『スリー・アールシステム』。それぞれの違いを認めながら、強みに変えていく変換力は可能性の宝庫だ。

一人ではどうにもできないことも
会社が支えれば乗り越えられる

 前本さんも現在は、短時間正社員制度を活用している一人。「結婚で家庭と仕事の両立に不安を抱いて相談したら、時短で働けばいいんじゃない? と言ってもらえました。それまでは育児を理由にしか認められなかった時短が全社員対象になったのは、私がきっかけなんです(笑)。でも、その後パートナーの仕事の都合で関東に引っ越すことが決まってしまって。家族都合の転勤は前例がなかったので、もう続けることは難しいだろうな、と思って話をしました。そうしたら、東京支店で働けるよ、と当たり前のように言っていただけたんです。私も働き続けたいと思っていたので、本当に良かったです」と胸を撫で下ろす前本さん。一人で抱え込めば大きな問題でも、会社全体で支えることで微々たる問題になる。既存の枠組みに当てはまらない事案が出てくれば、また、新しい仕組みを考え、誰もが楽しく働ける環境を作る。それが同社の貫く姿勢なのだ。

 経済産業省主催の「平成30年度 新・ダイバーシティ経営企業100選」に九州で唯一選出された。「年齢・性別・国籍にかかわらず、能力ある人がその力を最大限発揮できる環境づくり」を目指す同社の「挑戦」する風土の中で、更なる好循環を生んでいくに違いない。

CASE STUDY働き方改革のポイント

取組1

個々の生き方を支援する多様な勤務形態

効果
時短社員の対象を全社員に広げ、介護や結婚、進学や副業のためなど、個々の希望やライフスタイルに応じて勤務形態を協議の上で決定する。多様な働き方を認め、個々の生き方を尊重する姿勢は、次世代型の組織としての在り方を示している。
取組2

それぞれの違いを強みに変えるダイバーシティ経営

効果
根底にあるのは「年齢・性別・国籍にかかわらず、能力のある人がその力を最大限発揮できる環境づくり」。個々の実力を発揮できるポジションで、仕事にやりがいを感じることで、社員の定着を図る。将来的にはシニアの採用にも広げ、多様な人材が活躍できる職場作りを目指す。
取組3

社内図書館をはじめ独自の制度で個々の成長を促す習慣を

効果
インプットと、アウトプットの好循環を生む読書習慣への取り組みは、無類の本好きである今村代表ならでは。禁煙手当やサークル活動のほか、近年では有料アプリサービスに対する月額1,000円までの補助を行う「DX推進制度」をスタートするなど、個々の生き方を磨く福利厚生を充実させている。

COMPANY DATA企業データ

スリー・アールシステム株式会社

●設立/2001年
●代表取締役社長/今村陽一
●本社 福岡県福岡市
●資本金/1,200万円
●社員数/66人(正社員63名、アルバイト3名。グループ:104名)
●事業内容/スマホ関連機器・PC周辺機器・光学機器などの開発・販売・卸売業

経営者略歴

今村 陽一(いまむら・よういち)
福岡県大川市出身。福岡県立伝習館高校から岡山大学へ進学。2005年スリー・アールシステム株式会社入社。2015年代表取締役社長に就任。4人の息子の父。読書家で年間200冊を読破する一方、トライアスロンも走破するスポーツマンでもある。
「変化に対応し、挑戦を続ける」「思考は行動を変え、行動は習慣を変え、習慣は人格を変え、人格は人生を変える」