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株式会社プロゴワス

業種

学術研究,専門・技術サービス業

地域

九州・沖縄

従業員数

50〜99人

File.144

自主性のある“個”が、明日の組織を創造する100年企業―アナログとデジタルの融合で社会に“最適なコト”を提供するプロゴワスの場合―

生産性の向上による処遇改善

2022.02.01

株式会社プロゴワス
社名の「プロゴワス」とは、プロフェッショナルの“プロ”と方言の“ゴワス”を組み合わせた造語。同社の前身となる「和田印刷」の創業は、1918年。地域に親しまれる印刷所として営業を続けてきた。1983年に法人化し、1995年にデータプリントサービスの受託事業を開始。2013年には社名を『プロゴワス』に改め、現在はプリント事業、データ活用業、プロデュース・コーディネート業の3本柱でBPOサービスを提供している。2013年の社名変更と同時に社風を一新する「働き方改革」にも着手。「3代目として」ではなく、「3度目の創業」のつもりで挑んだという和田代表が生み出した、次世代の組織の在り方に迫る。

3代目ではなく、3回目の創業を。
ライフスタイルから社風まで一新

 大学卒業後、商社に3年勤務した後、平成4年に2代目の「和田印刷」に入社。先代の「3代目だからと言って今ある組織を続ける必要はない。3回目の創業をするつもりでやればいい」と言う言葉がずっと頭の片隅に残っていたという和田代表。2代目が逝去し、自らが3代目を担うことになったタイミングで「世の中に合わせて変わるよりも、自分たちが先駆けて変わる方がいい」と働き方改革に取り組み始めたのは、2010年のことだ。

 「それまでは先代が築き上げてきた土俵で戦ってきました。将来的にもこれまでのやり方で通用する部分はあったかもしれませんが、“3代目としてでなく、3回目の創業を”、と言う先代の言葉を励みに、次のステージにいくことを決意しました。今までの会社の習慣も常識も、業界での在り方も、今ある自分たちの力で一新していこうと踏み切りました」。

「加速するデジタル社会で、アナログとデジタルの融合を図りながら、世の中の役に立つサービスを提供していきたい」とは和田代表の言葉。

 積み上げてきたものを一新するつもりで挑んだ和田代表の“3度目の創業”とはいかなるものだったのだろうか。まず最初に取り組んだのは、自らが率先して予期せぬ変化を受け入れること。つまり、自身のライフスタイルの変革だった。「細かいところでいえば、食生活から趣味、時間の使い方まで見直しました。なぜならば、人間は自分が一番楽ができる環境にいたいと思うものだからです。居心地はいいけれど、そのままでは新しいものは生まれないので、あえて異業種の方と交流したり、苦手だったランニングも趣味として始めました。得意なことを伸ばしていくという考え方もありますが、あえて苦手なことにチャレンジすることで視点を変えて、新しい考え方を積極的に取り入れる。その方が私には合っていました」。

 誰しも異質なことを受け入れるには、少なからず抵抗を感じるものである。だからこそまずは自身が異なる考えや価値観の中に飛び込み、そこで得た感覚を新たな会社像の創造に生かすことにしたのだ。「その結果、言葉の使い方から変わりました。社員に変化を受け入れてもらうためには、どう働きかけたら良いのか。例えば、働き方改革も“改革”ではなく、“創造”と言う言葉を使うとポジティブな反応が返ってくることがわかったんです」。

今後のテーマは“多様性”。その奥深さを学び、実行できる人々が集う場所づくりをしながら、人が関わることを大事にする社風は、世代が変わっても受け継がれる同社の社風だ。

 言葉選びひとつから小さな刷新を重ねてきた和田代表。2013年には、社名を「和田印刷」から「プロゴワス」に改名。これを皮切りに、育児・介護休業制度の整備や、短時間正社員制度の確立、提携保育園の確保、ノー残業制度(第2、3水曜日)を設けるなど働きやすい環境を整えてきた。衛生委員会を立ち上げ、始業前のラジオ体操や次の勤務までのインターバル時間(11時間)の確保や、3ヵ月に1回の産業医の職場巡視を実施するなど、社員の心身の健康を保つ習慣づくりにも意欲的に取り組んでいる。

 また、RPAやAI-OCR、各種クラウドサービス等を活用し、業務効率改善(自動化、デジタル化)を図り、グループウエアによるスケジュール共有、情報周知、稟議、申請など、社内の伝達事項の電子化を推進。勤怠管理システムで出退勤打刻のほか、年次有給休暇や残業などの承認申請も行う。また、非対面でも学びの機会を増やすためオンライントレーニングシステムを活用し、新入社員研修やマネジメント研修、ビジネス研修も行うなど、実務効率の向上にも挑んできた。「これからは、会社と働く側は同じ立場、同じ目線であることが大事です。経営理念やビジョン、労働条件や環境に賛同してくれる人が集う、働く側は選ばれるのではなく選ぶことができる。そんな関係性ができればいいと思います。そうすることで、自主性を持って自分たちで仕事を生み出し、会社を作っているんだ、という意識を持てる方がたくさん集まってくれるといいですね」と和田代表。

 最後に、よい組織で在り続けるための秘訣は?と問うと、「上司は部下の声に耳を傾け、部下は上司とよく話すことを習慣にすること。人は思い込みでストレスを抱えてしまうことがあるんです。できることなら、ストレスになりそうなことを全部会社で吐き出して帰って欲しいなと思います。仕事は人生を楽しく生きていくための手段のひとつ。誰もが仕事を楽しみながら、組織として進化を続けていけたら理想ですね」と応えてくれた。その言葉には、“働き方”の概念を塗り替える、無限の可能性が宿っているように思えた。

入社半年で制度改革に着手。自身が初の短時間正社員に

 2020年4月に入社した中島智恵子(なかしまちえこ)さん。前職では、勤務先まで車で1時間かかる通勤が負担となり、転職活動をする中で「プロゴワス」に出合った。現在は、労務管理から総務・人事業務のペーパーレス化など、社内環境を整える業務に励んでいる。「就学前の2人の子どもの育児をしながら働くとなると、急な休みも発生します。入社したての頃は、休みも取りづらいだろうな、と懸念していたのですが、気兼ねなく休める雰囲気がありました。1時間単位で使える年次有給休暇もありがたいですね」と中島さん。雇用形態は、短時間正社員であり、この「短時間正社員制度」を確立したのも、中島さんご自身だというから驚きだ。「管理部で就業規則の改訂を担当することになり、はじめに手掛けたのがこの『短時間正社員制度』です。契約社員やパートで働いてきた方にとって“自分も正社員になりたい”とは、言い出しにくい部分がありますよね。だからこそ、まずは入社したばかりの私が短時間正社員制度を利用して、制度普及のためのハードルを下げました」と話す。中島さんが実例となった同社の短時間正社員制度は、正社員より短い時間又は少ない日数の勤務とし、1 日の労働時間が 6~7.5 時 間、1 週間が 30~37.5 時間の範囲内で協議の上で個別に決定する。また、基本給や手当・昇進昇格などの待遇は、正社員と同様の条件で行う。制度利用の事由は、育児や介護以外にも、自己啓発を希望する場合、疾病または傷病によりフルタイム勤務が困難な場合なども許容。また、パートタイマーが別に定める要件を満たし、かつ会社が認めた場合には、短時間正社員として勤務することができ、非正規雇用社員のキャリアアップを支援している。

 短時間勤務であったため当初は派遣社員として入社したが、直接雇用の契約社員を経て、1年後には短時間正社員に起用され、自ら率先して制度を活用し希望する働き方を叶えている中島さんの存在が、組織としての柔軟性の高さを示している。

 最近では、女性活躍推進セミナーに参加した際に学んだ“1on1ミーティング”を取り入れることを代表に提案し、すでに全社的に実行に移している。「普段からコミュニケーションを取れている方だとは思いますが、『1on1ミーティング』で、改めて場所を設けて上司に話を聞いてもらうことで、自分の立場に寄り添ってもらえることが、働きやすさにつながることを実感しています」。

「1on1ミーティング」も中島さんの発案。社員がより働きやすい環境になる、と判断すればすぐに導入していくフットワークの軽さも「プロゴワス」の魅力だ。
社員同士が感謝の言葉をかけあうメッセージカード。社員同士の円滑なコミュニケーションが伺える。

 2021年8月には「資格取得支援制度」を活用し、会社が必要とする「会社が求める資格一覧」の中から「文書情報管理士」を取得したという中島さん。受験費用はもちろん、取得後は奨励金が会社から支給されるため、社員は資格取得を目指す意欲向上にもつながる。この制度は元々あったものだが、「社員が利用しやすくするためには、具体的に分かりやすい制度にするべき」と考え、各部署で求めている資格をピックアップし、資格の難易度に応じた奨励金を明示した「会社が求める資格一覧」を作成したのは中島さんだ。すでにこれまで、中島さんを含む7名の利用者が新たな資格取得に挑戦している。「会社の制度は、自分たちの暮らしにも直接還元されるので、周りの社員の方にも良い影響を与えることができます。個々が充実した働き方をすることで、組織レベルも上がります。今後も良い効果を生み出す制度を整えていきたいです」。

 社員それぞれの意見を否定することなく、受け入れていく「プロゴワス」。今後も多様なニーズを掘り起こし、ますます活躍のフィールドを広げていくことだろう。

CASE STUDY働き方改革のポイント

取組1

育児、介護の理由に限らず多様な働き方を推進

効果
育児・介護休業制度の整備や、短時間正社員制度の確立、提携保育園の確保、ノー残業制度(第2、3水曜日)を設ける。衛生委員会を立ち上げ、多様な人材を雇用するために必要な制度を整える。また、心身の健康を保つ習慣づくりにも取り組む。例えば、始業前のラジオ体操や、次の勤務までのインターバル時間(11時間)の確保を促す。3ヵ月に1回の産業医の職場巡視の実施。
取組2

業務の自動化、文書の電子化を図るRPAやAI-OCRの導入

効果
グループウエアでのスケジュール共有、情報周知、稟議、申請など、社内の伝達事項の電子化を推進。勤怠管理システムで出退勤打刻のほか、年次有給休暇や残業などの承認申請を行う。非対面でも学びの機会を増やすためオンライントレーニングシステムを活用し、新入社員研修やマネジメント研修、ビジネス研修を行う。
取組3

人を育て、人を活かすコミュニケーション

効果
上司が部下の目標をサポートするための円滑なコミュニケーションに注力する。「1on1ミーティング」では、社長on1、部長on1、グループ長on1で、部下の気持ちに寄り添う。「正社員登用制度」では、有能な非正規雇用社員のキャリアアップを支援。短時間勤務の派遣社員で入社し、1年後には短時間正社員として雇用されている事例も。また「資格取得支援制度」では、受験費用の補助や合格者にはレベルに応じた奨励金を支給。多様性を尊重し、個々が活躍できる社風を大事にしている。そのほか社員同士がメッセージを送る「サンクスカード」では、互いに感謝・称賛し合うなど温かいコミュニケーションが育まれている。

COMPANY DATA企業データ

事業者の潜在的なニーズを提供し、夢を叶える一助に

株式会社プロゴワス

代表取締役社長:和田秀一郎
本社:鹿児島県鹿児島市
従業員数:77名 
創業:大正7年 
資本金:1,065万円
事業内容:BPOサービス業

経営者略歴

和田秀一郎(わだ・しゅういちろう)
大学卒業後、3年間商社に勤務した後、2001年に現職。100年を迎えてもなお、健やかな組織としてある同社。先代から続く経営理念は、“人間優先”。趣味は、トライアスロンとゴルフ。苦手なことに果敢に挑戦し、謙虚な姿勢で学びを続ける。座右の銘は「自信あふれる自己流は、確信なき正統派に勝る」。